小説 【入れ替わり・恋人同士】 ⑮

-目次- ・43.男女の股間事情 ・44.誘惑 ・45.取引先の女好き社長 43.男女の股間事情 マンションを出たふたりは、駅までの道を並んで歩いていた。 住宅街の緩やかな坂道。アスファルトの上を、ヒールの音と革靴の音が交互に響く。 陽真(精神は澪)は、シャツの襟を少し引っ張りながら顔をしかめていた。 「……はあ。今日も歩きにくい……」 澪(精神は陽真)がチラッと横を見る。 「靴、合ってないの?」 「いや、靴じゃなくて…」 陽真(精神は澪)は立ち止まり、スーツのズボンの前をほんの少し引っ張るようにして、小声で呟いた。 「股間が……つっかえるのよ……」 「は?」 「歩くたびに、なんかこう……ブラブラっていうか、ムニュっていうか……すごく邪魔なの!」 陽真(精神は澪)は眉をひそめて、どうにかならないのかと下半身をチラチラ見ている。 「確かに、女性の体と違うもんね…♡」 「毎日こんな“ブラブラの異物”つけて歩いてるの!?」 「確かに、女の子は慣れない感覚なのか…♡」 澪(精神は陽真)は吹き出しそうになりながら、すまし顔で女性用スーツのズボンのすそを直した。 「でもまあ……それを聞くと、やっぱり女の体ってスッキリしてるよね♡」 「は?」 「だって、ほら、股間が邪魔しないし。内側に収まってる感じ? ♡邪魔なものが無くて風通しもいいし♡……歩くだけでこんなに開放的な気持ちになれるのいいよね♡」 そう言いながら、一歩踏み出すときの足運びに、妙に誇らしげな余裕がにじむ。まるでモデルのようなウォーキング。 「……なんか、“体が整ってる”って感じなのよ♡左右のバランスがすごい。スッ、スッって歩ける♡」 「……それ言いながら歩かないで。うぅ、ほんとはそっちが私の体なのに……」 陽真(精神は澪)は顔を赤くした。 「……ていうか、なんでそんな誇らしげなのよ。私の体よ?」 「いや、ほんと感謝してる♡なんなら、“歩くってこういうことだったのか♡”って再認識した♡」 「私は歩く大変さを思い知ってる…」 澪(精神は陽真)は嬉しそうに続ける。 「正直、男の股間ってさ、もう“突起物”っていうより“手荷物”だよね。歩くたびに揺れるし、座ると潰れそうになるし♡……」 「手荷物て……ほんとはあんたの手荷物なのに…なんで私がこんな思いしなくちゃならないのよ…」 陽真(精神は澪)は両手で顔を覆って、顔を真っ赤にしてうつむいた。 「こんな会話、外ですることじゃない……駅まであと少しあるのに……」 「いやでもこれ、重要な研究テーマだと思うよ♡男女の生活感の違いって、こういうところからも生まれるんだなって♡」 「研究者気取りやめてよ…」 坂道を下りながら、澪(精神は陽真)はなおも足取り軽く、女性用パンツスーツのすそをひらひらさせて歩いていた。 陽真(精神は澪)は、その後ろ姿をうらやましそうに見つめながら、再びズボンの前をモゾモゾと直す。 「……うぅ、また引っかかる……座るのも地味に怖いのよね……。なんか、潰しちゃいけない生物飼ってるみたいな気分」 「男の子って大変そうね…♡」 澪(精神は陽真)が、くるりと振り返って、少し高めの声で優越感に浸って言った。 「男の子って、股間に“気持ちわるいもの”くってついてて、大変そう♡」 「なっ!?男はあんたでしょ!!私は女です!!」 「うふっアタシは女よ?♡アタシ、もう完全に女の子モード入っちゃったかも♡ こうやってヒールでカツカツ歩いてるし♡」 「ちょ、ちょっとほんとやめて!! 私の声で女口調で話さないで!!」 「うふっ♡もしかしてぇ……」 澪(精神は陽真)はニヤリと笑い、前髪を指先でくるくる回しながら言った。 「こっちの体のほうが、アタシに合ってるのかも……♡」 「は?」 「ねえねえ♡いっそこのまま入れ替わったままでもいいんじゃない? ♡澪は“ブラブラ陰茎生活”を楽しんで、アタシは“スッキリ股間生活”続けるみたいな♡」 「絶対やだ、絶対元に戻してよ!?」 陽真(精神は澪)が、両手を振りながら全力で否定する。 「このままだったら、私もう、生きてけない! 座敷で正座とかできないし! それに……トイレのたびに下向いて“存在確認”するの怖いのよ…!」 「でもさ♡ この体、股間は軽やかだし胸はプルプルだし、毎朝鏡見るの超たのしいし〜♡」 「それは私の体だから!!」 駅の手前の横断歩道で信号が変わり、ふたりは並んで立ち止まった。 澪(精神は陽真)は、肩をすくめながら唇をとがらせる。 「う~ん、でも……この体、諦めきれないし譲れないなあ♡ 毎朝快便うんち出るし〜♡」 「絶対諦めて…あと、私の声でうんちとか言わないで!!」 陽真(精神は澪)はもはや涙目。まるで「ペットを奪われそうな小学生」のような顔で懇願した。 「お願い陽真……戻ろう? ね? 私の身体、ちゃんと返して……」 澪(精神は陽真)は、ちょっとだけ意地悪な笑みを浮かべて、両手で自分の頬をぷにっとつまみながら言った。 「えぇ~? だってこっちのほうが、お化粧も楽しいし、お洋服もバリエーションあるし~♡ それに、ちんぽ無いってだけでQOL爆上がりなんだよ~?♡」 「体を盗まれそうになるって、本当に嫌な気持ちだわ…」 駅前の信号が青になり、ふたりは再び歩き出した。 ヒールの音と革靴の音。 どこかぎこちなく、でもなんだかんだで歩調は合っている。 「……まあ、でも」 陽真が小さく笑って言った。 「一週間だけだから。ちゃんと返すよ♡澪の体。今はちょっとふざけてるけど……ほんとは、すごく大事に思ってる♡」 陽真(精神は澪)は少しだけ顔を緩めた。 「……ほんとに、頼むわよ。お願いだから、私の体に変なクセつけないでよね…」 「はいはい、わかってるって。……それに、豹柄のティーバックパンティはありだよな?」 「無しに決まってるでしょ!?」 「……でも、女の子の下着って、ほんとにカラフルで可愛いよな♡」 駅までの最後の曲がり角。コンビニを横目に、澪(精神は陽真)がポツリと呟いた。 声にはどこか、うっとりとしたニュアンスが含まれている。 「え? 下着?」 「うん♡昨日勝手に澪のタンスの中見たとき、水玉とかレースとか、ピンクとか水色とか、まるでお菓子の箱みたいで感動したわ♡えっ、なにこれ、宝箱?って思っちゃったもん♡」 「やめて、私の下着を“宝箱”扱いしないで、てか勝手に漁らないでよ……」 陽真(精神は澪)は、眉を寄せてため息をついた。 「でもまあ、わかる気はするよ。男性の下着ってほんと、色味地味すぎだもんね。グレー、黒、紺、以上。洗濯機から出したとき、まじで“戦隊もの”の敵の雑兵みたいな色合いになるし」 「そうそう♡寒色多すぎ♡」 「やめてよ、私の下着いまその寒色だらけなんだから…」 澪(精神は陽真)は自分の体をちらりと見て、ふふっと楽しげに笑った。 「アタシね~♡今度女児用のスクール水着とかも着てみたいなぁ~♡」 「ちょ、ま、待て待て待て…」 陽真(精神は澪)が立ち止まり、完全に声を裏返らせた。 「なんでよ!? それは絶対ダメ!!」 「いやいや、正統派の“女子アイテム”としてさ? スク水って独特の締め付けと質感がありそうじゃない?♡ ぴったりフィットして、肩のとこがくるんってなっててさ♡」 「やめて!! そんなマニアみたいな口調で語らないで!! それ、今しゃべってるの私の体なんだから!!!」 「え~、でも今のアタシ、女子でしょ? 女子がスク水着るのって、別におかしくないじゃん?♡」 「中身が成人男性なのはどう考えてもダメでしょ!?」 駅が見えてきたというのに、陽真(精神は澪)は完全に挙動不審になっていた。額に汗、視線は泳ぎ、口はひくひく震えている。 だが澪(精神は陽真)は完全にノリノリだ。 「ていうかさ~♡ いっそ、この体のままで海とか行ってみたいんだよね♡」 「……海?」 「アタシ、女の体でビキニとか着てみたいなぁ♡ 日差しに照らされながら、水着で砂浜とか歩いてみたい♡」 「ぜっっっっったい、ダメ!!」 陽真(精神は澪)は即答した。まさに食い気味。 「なにが砂浜よ!? 私の体で女児用のスク水きて砂浜歩いて、周りの人にジロジロ見られたりしたら、もう私、精神的に終わるの!!」 「見られるっていうのも、ある意味で“承認欲求”満たされるっていうか……優越感っていうか……♡」 「その発言、成人男性の口から出るやつじゃないから…」 駅の改札が見えてきた。周囲には通勤客の列。 なのにふたりは、まるで朝から寸劇でもしているかのようにヒートアップしていた。 陽真(澪の体)は最後に、澪の腕をちょんと突きながら言った。 「じゃあ、せめて……パレオ付きの水着ならアリ?♡」 「ぜっっっっっっっったいナシ!!!!!!!!!」 一方、澪(精神は陽真)はというと、自分の“澪スマイル”に自信を深めながら改札をスッと通り抜けていった。 44.誘惑 電車は静かに駅に滑り込み、アナウンスが響く。 「次は~〇〇~〇〇~、お出口は右側です」 澪(精神は陽真)はにやつきながら、ヒールの音を鳴らしてホームを歩き出す。 すらりとした足、揺れる髪、そして爽やかな女性の香り。駅の階段を上がっていくその姿は、周囲の目を引いていた。 (この体、ほんと……スペック高すぎない?) ちょっとした優越感とともに、澪(精神は陽真)は会社の方角へ歩いていった。 ⸻ そして――。 会社の裏手の駐車場。 この日は澪から、外回りの営業に同行する日だと聞いていた。会社裏手の駐車場に会社の先輩がいるから、そこに向かうように言われていた。 青いワゴン車の前で、スーツ姿の男性が手を振っていた。 「お~い、島村さ~ん! こっちこっち!」 「……あっ、あの人か…♡」 澪(精神は陽真)が手を振り返しながら駆け寄る。 男性坂田という名前だと、澪から聞いていた。 坂田は32歳、営業部の先輩社員。優しいがちょっと天然で、やや女性に免疫がないタイプ。もちろん“中身が安達陽真”であることにはまったく気づいていない。 助手席のドアを開けて乗り込むと、坂田がシートベルトを締めながら聞いてきた。 「今日、朝から元気そうだね、島村さん。ヒール高くない? 大丈夫?」 「ふふ、大丈夫ですよぉ。慣れてきちゃいましたから♡」 「おお……なんか、声色がいつもより柔らかい……?」 (やば、テンション入りすぎたか?♡) そう思いながらも、澪(精神は陽真)は助手席で足を組み、わざとらしく手鏡を取り出して髪を整える。 内心ちょっとした**「女子のフリごっこ」**に夢中になり始めていた。 車が走り出し、しばらく沈黙。 BGM代わりに流れるのは坂田の好きな昭和のポップス。 「坂田さん、運転うまいですね~♡」 「えっ!? い、いや、ふつうだよ、ふつう!」 「なんか、隣にいると安心しちゃうなぁ……♡ こういうのって“ギャップ”っていうんですよね? 普段おっとりしてるのに、運転になると頼れる感じ……素敵かも♡」 「…………ッ!」 坂田の顔が、明らかに赤くなった。 (やっば、面白すぎる) 澪(精神は陽真)はすっかり“誘惑ごっこ”のスイッチが入ってしまった。 「それにね、さっきから気づいてたんですけど……坂田さん、今日ネクタイ似合ってます。紺とグレーのチェックって、ちょっと大人っぽくて、ドキッとしちゃった♡」 「……ど、どきっ……!?」 ブレーキを踏む足が、明らかにぎこちなくなった。 信号待ちの間、坂田はやたらとサイドミラーを見て視線をそらしている。 「ど、どしたの急に……今日、なんかキャラ違くない?」 「えぇ? そうですかぁ~? 今日は……ちょっと女の子してみようかなって♡」 「お、おお……お、おおぅ……(えっ、これってアリ? 夢?)」 車内には、エアコンの風とは別の妙な熱気が漂い始めていた。 坂田は一度深呼吸をして、言った。 「よ、よしっ。じゃ、じゃあさ、営業先ついたら俺が喋るから、島村さんは後ろからサポートしてくれたら助かるよ、うん!」 「はぁ~い、頼りにしてますぅ~♡」 「ッッッ!!!」 坂田の耳が真っ赤になったのを見て、澪(精神は陽真)は心の中でガッツポーズ。 (この“女子の武器”、けっこうすごいな……♡) 澪(精神は陽真)の中にはひとつ確かな感想が残った。 (……この体、ほんと楽しいかも♡) その“遊び心”が、後にどんなドタバタを巻き起こすかは、まだ誰も知らない。 営業車が幹線道路を走り出して20分。 運転する坂田の額には、エアコンの冷気をものともしない汗が滲んでいた。 その原因は――もちろん、助手席の“島村澪”。 というか、中身は安達陽真(27歳・男性)である。 「でさ~、坂田さんって、ほんとに彼女いないんですかぁ?♡」 「い、いないよ!? な、なんで!? 今、その話いる!?」 「え~だってぇ、なんかこう、男の色気っていうか? 漂ってますよ? どことなく……“枯れたダンディズム”♡」 「お、俺そんな年じゃないよ!? まだ30代前半!」 「そっか、じゃあ……“熟れ始めダンディ”♡」 「そのネーミングやめて!!」 坂田は明らかに赤面している。耳の後ろまで真っ赤。 一方、陽真(澪の体)は涼しい顔で前髪をふっとかきあげる。 「もしかして……最近、寂しくて夜とか、枕抱いて寝てたりします?♡」 「ちょ、やめなさい!? そういうの!! なんで知ってるの!? いや、してないよ!? たぶん!!」 「“たぶん”て何ですか~?♡ もしかして……寂しいんじゃないですか?♡」 坂田、ついに信号待ちで助手席のほうを見れなくなる。 「な、なにその、セクハラ寸前の口調!?」 澪(精神は陽真)はニヤリと笑って、組んでいた足を組みかえる。 そして――わざと胸元をちょっとだけ、ちらっと押し上げるようにして言った。 「じゃあさ……少しだけなら……触ってみます……?♡」 「ッ!!!!」 坂田の肩が跳ね上がった。シートベルトがギシッと音を立てる。 「え、え!? ええ!? ええええええええ!!?」 澪(精神は陽真)はゆっくり、ゆっくりと坂田の視界に胸元をチラ見せしながら、目を細める。 「――……って言うわけないじゃないですか~~♡」 「ぶぅっ!!?」 坂田、信号待ちでむせる。 「島村さん、あっぶな……ッ! 本気で信じたらどうすんの!? あれ!? 俺ってセクハラになる!? ていうかこれ夢!? 罠!? なにこの営業車、トラップカー!?」 「ふふふっ、冗談ですよぉ♡」 澪(精神は陽真)はケラケラと笑う。 坂田は放心した顔で信号が青になっても5秒間反応できなかった。 ⸻ 坂田の目は死んでいた。 目的地までの残り20分、BGMの昭和ポップスがどこか哀愁を帯びて聞こえた。 澪(精神は陽真)は、助手席で外を眺めながら内心思う。 (なんか……楽しくなってきたな……あと数日だけど♡) その“楽しい”が、どれだけ周囲を巻き込むかは、まだ誰も知らない―― 45.取引先の女好き社長 目的地は、郊外の工業団地にある建材会社。 ちょっと年季の入ったプレハブ風の事務所の玄関前に車を停めると、坂田がため息をついた。 「よし……着いた……。心を整えて、いこう……」 「なんか緊張してます?♡」 「してるよ! さっき君にいろいろからかわれた直後でまともな精神状態のわけないでしょ!」 「ふふっ、ウソウソ。もう真面目モード入ってますから~♪」 (そう言いながらヒールでトントン歩く自分の姿、なんか……様になってきたな) 澪(精神は陽真)は、ゆるやかに髪をかき上げながら事務所に入っていった。 ⸻ 中は、木目調の応接室。 壁には古びた表彰状と、カレンダーに“風景写真”がついた昔ながらのオフィスの趣。 そこに現れたのは―― 「いや~、ようこそようこそ! いやあ、坂田さん、そして……こちらは?」 「はじめまして、うちの島村です。今日はご一緒に」 「ほぉ……」 建材会社の社長・寺尾は、50代半ばのガタイのいい男性。 がっしりした体型に、ギラついた目。やや暑苦しい笑顔で、澪(精神は陽真)を見る。 「いやぁ、えらい綺麗なお嬢さんが来たもんだなァ~! うちは男所帯だから、こういう花があると空気が変わるねぇ!」 「うふふ、恐縮ですぅ~♡」 (うわ、この人絶対女に弱いタイプだ♡) 澪(精神は陽真)は、応接ソファに座るとき、脚をそろえてちょこんと腰掛けた。 坂田が隣に座って商談の資料を出している間、澪(精神は陽真)はテーブルに身を乗り出して書類を差し出す―― そのとき。 「――あっ」 小さく屈んだ拍子に、胸元のボタンがふたつ目まで開いていたことに気づかず、白いブラウスの谷間がちらり。 (……あれ? 社長の目、止まってない?♡) 「う、うんうん……そう、なるほど、これは……うん」 社長は資料を一切見ずに「うん」とうなずき続けていた。 目線は微妙に資料と“別の方向”。 澪(精神は陽真)は、坂田の目線にも気づく。 坂田は――顔が引きつっていた。というか、動かない。 (……やっべ、無意識にやってたわ。てかこの体、あざとい動きすると本当に破壊力すごいな……♡) 澪(精神は陽真)はちょっとイタズラ心を抑えきれなくなってきた。 「社長さんって、いつも現場も見て回ってらっしゃるんですか? すごいですね♡……」 「えっ? あっ、ああ……見てるよ。見に行く行く。なんなら今からでも見せようか?」 「え、ほんとですか? ぜひお願いしますっ♡」 澪(精神は陽真)は小さく拍手。胸がふわっと揺れる。 坂田の口が「やめてくれ」って形にだけ動いていた。 寺尾社長、顔の汗がすごい。 ⸻ その後、倉庫の見学でも澪(精神は陽真)はナチュラルに腰をかがめたり、髪を結び直したり―― “自分では普通”のしぐさが全部、男性陣の心臓にクリティカルヒットしていた。 (ははっ……なんか、この体であざとくするの……ちょっとクセになりそう♡) 笑顔の裏でそんなことを考えている男が、女性の姿をして営業しているという事実を、誰も知らなかった。 -続く-



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