【怪文書】エルフのお姉さん
俺の住む村には一人のエルフが住んでいる。 村の外れにある白い家でひっそり暮らしている。 しかし、人間と悪い関係という訳ではない。 時々村で買い物をしたり、村の人間と話をしていたりする。 俺の家はばあさんの代から続けている雑貨屋だが 俺はまだそのエルフを直接見た事はない。 ばあさんの話では、ばあさんが若い頃から見た目が殆ど変わっていないらしい。 そして、今日は俺は店番をさせられている・・・ しばらく経って客足が落ち着いた頃、一人の女性がやってきた。 見かけない顔だが、すぐにそのとがった長い耳が目に入った。 彼女が例のエルフだ。 一通り店の中を物色した後、俺の方にやってくる。 やさしげな笑みを浮かべた彼女の瞳と一瞬目があいドキッとする。 「今日はお婆様はいらっしゃらないのかしら?」 「はい、今日は俺が店番をしてます」 「そうなの―」と言ったようだが俺は別の物に目を奪われていた。 それはその大きな乳房である。 胸元が見えそうな服を着ているのでそれは仕方ない事だ。 歩いたり動いたりするたびにゆっさゆっさと音を立てるかのような 揺れ方をするそれは村の女の誰よりも大きいと思える。 少し下に目をやると、くびれがありしっかりとした腰つきだ。 服の上からでもわかる。 そして美しい顔をしている、髪も綺麗だ。 「あんまり女の人の体をジロジロ見るものではないですよ」 やさしげに諭すような声で言うエルフ。 俺はハッとして目をそらす。 「すみません・・・」 あまりにスゴかったのでつい凝視してしまった、怒らせただろうか? 「ぼうやくらいの年だと仕方ないわね、でも村の女の子に同じ事をしてはだめよ」 「ぼうや・・・」 彼女は長命な種族、エルフなのだ 俺みたいな人間など小さい子供と変わらないという事か・・・ 「怒らないんですか?」 彼女は微笑みながらこう言う 「あなたカワイイから許すわ」 「それはどうも・・・」 俺はカワイイと言われるような年齢ではないんだが。 「お会計して下さる?」 「あ、すみませんすぐやります」 失礼な事をしたので少しおまけをつけた。 会計が済みすぐに立ち去るだろうと思っていたが、頭を上げると まだこちらを見つめて立っている。どうがしたのだろうか? 「貴方の事気に入ったわ、よかったら今度私の家に来てお話しない?」 お茶菓子も出すわよ、と彼女。 何故だろう、何が目的なのだ。 しかし先ほどジロジロ見てしまった手前断るわけにもいかず 「わかりました」 と言うしかない。 エルフは満足げに微笑むと店をあとにする。 去り際にこちらを振り向き手を振りながら笑いかけてきた。 その仕草にドキッとする。 先ほどの不安はどこへやら、彼女の家に行くのが楽しみになってきた。 去り際の彼女の体の揺れる部分を思い出しながら、俺は体の中に熱いものが 沸き出てくるのを感じていた― つづかない
