せびりちゃんのレスキュー。

平素は格別のご厚誼を賜り厚くお礼申し上げます。






やってしまった。


・・・失態。油断。不覚。


11月にしては日差しが強い日の午後2時。

水分補給も忘れ、営業でひたすら歩き回っていたら、公園で突然の立ちくらみ。


かろうじて近くのベンチに仰向けに倒れこむ。

とにかく日陰に入って涼をとらなければ・・・しかし、思うように体が動かない。


ベンチに転がったままギラギラと輝く直射日光に炙られていると、少女がこちらをのぞき込んでいた。





「おじさん、ぐあいがわるいの?」


た、助かった・・・。

熱中症っぽいことを伝え、近くの木陰まで肩を貸してくれるよう頼んでみた。


「おじさん大きいし、はこぶのなんか無理」


確かに。

ならばせめて誰か大人を呼んでくるよう頼もうとしたら・・・


「日かげに入りたいんでしょ? いいけど、高いよ?」







ベンチに上がり、スカートをたくし上げながらにじり寄る少女。

突然の出来事に声も出ず、近づいてくる姿を見つめることしかできない。






ふわりと頭上に広がるスカート、柔軟剤の優しい香り、もぞもぞと動く少女の肌。

全神経が眼球に集中し・・・








・・・そのまま意識を手放した。




・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・




目を覚ますと、ベンチに一人寝転がっている自分がいた。

そばには水滴のついた冷たい水のペットボトル。

財布のお札がすべてなくなっていたが、その分軽くなった足取りで、公園を後にしたのだった。



それではまたお会いできる日までごきげんよう。








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