小説 【入れ替わり・恋人同士】㉑
-目次- ・61.女の花園 ・62.ホモの仕草 ・63.ビキニで優越感 61.女の花園 女性用更衣室に入った澪(精神は陽真)は、にやりと笑いながら言った。 「うふっ♡結構女の子いるのね…♡人妻っぽい女性から女児もいる…♡みんな以外と女子更衣室だとおっぱいとか隠さないのね…♡」 鏡に映る自分の姿をチラッと見て、軽く胸を張る。麻美と話しながら、さっさとロッカーを開けて着替え始めた。 「どしたの?澪ちゃん?」 麻美は不思議そうな顔で澪(精神は陽真)の顔を覗き込む。 「なんでもないわよ♡それにしても、麻美ちゃんって、おっぱい小ぶりで可愛いわね…♡」 女性口調でにやけながら、麻美の胸を舐めるように視姦する。 澪(精神は陽真)はわざとらしく、女の子口調で呟く。 「うふっ♡アタシ、女に生まれてよかった♡」 心の中で女として優越感に浸りつつ、下卑た笑顔を浮かべていた。 周囲には他にも数人の女性客がいたが、二人はどこか小声で話すような空気になっていた。 澪(精神は陽真)は、嬉しそうに赤いビキニを手に取りながら鼻歌まじりに、 「やっぱ水着は鮮やかな色が良いわよね♡」 とご機嫌だ。 麻美はと言えば、洋服を脱ぎながら、少しそわそわした様子で澪に囁いた。 「ねえ…澪ちゃん、ちょっとだけ、向こう向いててもらってもいい?」 「何恥ずかしがってるのよ…♡アタシたち女同士なんだから…恥ずかしがることないわよ…♡」 「うぅ…でも、今パンツ履いてないから…女の子同士でも恥ずかしいよぉ…」と小声で恥ずかしがりながら、麻美は顔を赤らめて言った。 「さっき言ってたけど…今日、涼介に言われてさ。パンツ、履いてないの。だからスカート脱ぐと、下半身丸見えになっちゃうから…なんかこう、変に意識しちゃって…」 「やば…♡今日の麻美ほんとエロい…♡」と澪(精神は陽真)は一瞬興奮でにやけそうになるが、麻美の恥ずかしいそうな表情に生唾を飲み込んだ。 「でも、澪ちゃんには女の子だから言えるけど、陽真君には絶対内緒ね。絶対引かれちゃうから…」 その言葉に、澪(精神は陽真)は妙な興奮を覚えながらも、にやりと笑い、 「男の子って単純でエッチだから、引かないと思うよ…♡むしろ…興奮すると思うけど…♡」 麻美はくすっと笑いながら、「澪ちゃんったら、変なこと言わないでよ…」と言った。 澪(精神は陽真)は、女としての優越感と興奮をないまぜにしながら、赤色のビキニを着て更衣室を後にした。 62.ホモの仕草 陽真(精神は澪)は、男子更衣室の片隅で体を小さく縮こませながら、無言でタオルを握りしめていた。 周りには数名の男性がいた。周囲の男たちはさっさと服を脱ぎ、水着に着替えたり、鏡で筋肉をチェックしたり、まるで日常の一部のように自然体だ。しかし、澪にとっては未知のジャングル。しかも今いるのは“男子のジャングル”である。 「うぅ…気持ち悪い…なんで私が男たちの中で着替えなきゃいけないのよ…みんな隠してよ……」 陽真(精神は澪)は胸元――いや、今は胸はないのだった――を押さえ、ぶるぶると震える。タオルを握る手に若干の震えがあり、目の端にうっすら涙。 すると隣にいた涼介が、ひょいとこちらを覗き込んできた。 「陽真、なにソワソワしてんだよ!早く着替えろよ。女の子じゃあるまいし、照れてどうすんだよ〜!」 その無邪気な笑顔に、陽真(精神は澪)はカッと頬を赤らめる。 「べ、別に照れてないわよ!ただ、その、落ち着いて着替えたいだけなんだからっ!!」 女口調で言ってしまったことに自分で気づき、「しまった」と小さく呻く。 涼介は目をぱちくり。 「……ん? お、おう。まぁ、いいけどさ。なんか今日のお前、ちょっと言葉遣い変だよな? 彼女と暮らしてるからって、そっち系寄りになってんのか?」 「う、うるさいっ!誰がそっち系よっ!!」 「いや、そっち系だろ…」 涼介はちょっと引き気味に笑いつつ、「早く出てこいよな」と軽く肩を叩いて、更衣室の奥へ歩いていった。 陽真(精神は澪)はその場でぐったりと肩を落とす。 「……うぅ…この状況、慣れるまであと何日かかるのよ……」 そう小声で呟きながら、仕方なく黒色の海パンを手に取り、男子更衣室という戦場にそっと身を投じていくのだった。 63.ビキニで優越感 プールサイドに4人が合流したとき、真っ先に反応したのは涼介だった。 「おー! 麻美、今日の水着、なんか大人っぽいな~。可愛いじゃん♪」 声をかけられた麻美は、肩をすくめて小さく笑いながら、「見ないでよ、ちょっと恥ずかしいんだから♡」と頬を染めて手で身体を少し隠した。 その様子を見た澪(精神は陽真)は、鼻で笑うようにふっと笑いながら、くるっと軽くターンし、赤いビキニ姿を披露した。 「で、アタシの水着はどう?♡ねえ、可愛い〜♡」 腰に手を当ててキメポーズ。澪の体でありながら、中身は男。妙に自信満々だった。 涼介は一瞬きょとんとしたが、すぐに「うん、澪ちゃんも……いい感じ、可愛いよ!」と笑いながら言った。 その横で、陽真(精神は澪)はというと、見るからに顔を赤くして、胸元を両腕で隠している。 「ちょ、ちょっと……ポーズなんて取らないでよ……」 男の体に入って早数日。自分の痴態には、もう慣れてきたはずなのに、こういう場面ではやはり恥ずかしさが勝る。しかも目の前で、自分の体が堂々とビキニ姿を披露しているのだ。なんとも言えない、複雑で、そしてほんのり屈辱的な気分だった。 澪(精神は陽真)はそんな陽真(精神は澪)の態度をチラリと見てニヤリと笑った。 「なによ♡その隅っこで縮こまって……♡彼女のビキニ姿見て、勃起しちゃったの?♡」 「し、してないわよっ!!」 陽真(精神は澪)は、女口調でぴしゃりと返したが、それがまた妙にリアルなオカマみたいで、涼介は不意に吹き出しそうになった。 「ふっ、陽真……今日はなんか、テンションおかしくね? もしかして本当に勃起してんのか〜?」 「だ、だからしてないわよっ……!」と陽真(精神は澪)は、パッと顔を背けてぷいっとしてしまう。 (ああもう……なんで私が男の姿で、こんなにオカマみたいに反応しなきゃいけないのよ……) その姿に、麻美はクスクスと笑いながら、「陽真君と澪ちゃん、やっぱり今日ちょっと変だよね?」とつぶやく。 「ウフッ♡別に普通よ…♡久しぶりに二人と会えたから、二人ともテンション上がってるのかも…♡」と、澪(精神は陽真)は、ニヤついた顔で言った。 「さてさて、それじゃあ行きますか!」 涼介が元気よくそう言うと、4人はそれぞれバスタオルを椅子に置いて、プールサイドへと歩き出した。 ただ一人――陽真(精神は澪)だけが、まるでスローモーションのように、ぎこちない足取りで後ろをついてくる。 その背中には、「うぅ…早く帰りたい…」という、必死の念がにじんでいた。 その様子を見て、澪(精神は陽真)はにやっと笑いながら、「あんまり、アタシ以外の他の女の子見ちゃダメよ…♡アタシ以外で勃起するの禁止♡」と冗談混じりにからかう。 一方、陽真(精神は澪)は「もう……なんで私がこんな目に遭うのよ!」と心の中で呟きつつ、男性用の海パン姿で水着に慣れていないせいか、歩き方もぎこちなくて、麻美に「大丈夫?」と心配される始末。 二人の様子を見て涼介はクスクスと笑いながら、「今日は面白い一日になりそうだな」と言った。 数分後- 麻美、涼介、そして澪(精神は陽真)は、はしゃぎながらプールを満喫していた。水しぶきをあげて笑い合う様子は、本当に楽しそうで、見ているだけでこっちまで楽しくなるほどだった。 でも、陽真(精神は澪)はというと……。 プールサイドのパラソルの下で、ちょこんと座っていた。心は完全に女なのに、体には黒い海パン一枚がついている。どうしても股間の存在が気になって仕方ない。 「うぅ…胸隠せないの恥ずかしすぎる…せめてラッシュガードくらい着たい……」 冷たい水に浸かっても、胸を丸出しの違和感は拭えず、じっと周囲を気にするばかりだったので、プールから出て休憩していた。 「こんな状態で思いっきり楽しめるわけないじゃん…もう、早く帰りたい…」 心の中で叫びつつも、どうすることもできず、ため息をつく陽真(精神は澪) プールから出てきた澪(精神は陽真)はそんな彼女に気がつき歩いてきた。近くにきて、ニヤつきながら言った。 「うふっ♡澪の体でビキニ着て泳ぐの楽しすぎるわね♡周りの男たち、アタシのオッパイ見過ぎ…♡涼介も見てくるから、麻美に申し訳ないわ〜ん♡」 「私の体でビキニ姿見せつけないでよ…恥ずかしい…」 と、女口調で抗議をしたその声には、屈辱感と恥ずかしさが混じっていた。 陽真(精神は澪)は、複雑な思いと羞恥心に挟まれながらも、プールの時間をなんとか乗り切ろうと必死だった。 -続く-
