小説 【入れ替わり・恋人同士】 ⑯
-目次- ・46.女の特権 ・47.社内の女子トイレ ・48.当たり前の定時退社 46.女の特権 外回りから帰ってきた、澪(精神は陽真)は、ゆるく汗ばんだスーツの襟をそっと指先であおぎながら、オフィスのドアをくぐった。 「ふぅ〜、やっぱり女の体で長時間歩くのって体力使うな…♡」 思わず小声でつぶやいたその瞬間、近くの女性社員が「おかえり〜、外回り暑かったでしょ?」と声をかけてくれた。 「あっ、うん……暑かったですぅ♡」 思わず“女の子声”で返してしまう澪(精神は陽真)。中身は男なのに、すっかり馴染んできている自分に気づいて、少しだけゾクッとする。 ** 午後も一先のみ訪問する予定があった。その営業先へ向かう道中でも、運転を先輩の坂田が担当してくれた。 「女性に運転させるのは悪いからさ」などと言われ、助手席に乗るだけだった。 (……え、運転しなくていいのめっちゃ楽だな…女って最高だな…♡) これまで「男はこうあるべき」だの「能力で勝負」だのと言われる男社会で過ごしてきたので、少し胸の内で小さな葛藤を抱えながらも、つい心のどこかで“甘やかされる快感”に優越感を覚えてしまう。 ** 午後の一先の訪問から帰社して、オフィスの自席に戻ると、近くの男性社員が何かと優しく接してくる。 「今日、外回りだったんだよね? クーラー強すぎたら言ってね」 「重い資料あるなら言ってよ。コピー手伝うよ」 (なにこれ……“女性扱い”されるって、イージーモードじゃん……♡) 内心、優越感とともにニヤけそうになるのを堪えながら、「ありがと♡」と口を滑らせてしまい、すぐに首をすくめた。 (やべ、♡つけちゃった♡……俺、男なのに♡) ** ふと窓ガラスに映った自分の姿。 女性用パンツスーツにナチュラルメイク。長い髪が風にゆれている。 ――「やっぱり、澪が美人だから…男はみんな色目使ってくるんだな…♡」 澪(精神は陽真)は鏡の前で、澪の顔をした自分に思わず見とれてしまった。 「……この調子で、できるだけ楽して仕事しよ♡」 女の体になったことに改めて優越感に浸って、簡単なPC作業に戻る。 午後の柔らかい日差しがブラインド越しに差し込む中、澪(精神は陽真)はオフィスの椅子に座り直して、そっと色っぽい溜め息をついた。 「はぁ……♡でも、やっぱり女の体で家意外にいるのって少し興奮するな♡……」 (前かがみになるたびに胸元が見えてないか気になって仕方がないし、女性の肌が敏感でイスの素材がツルツルしてて、男性の時よりダイレクトに感じるし♡……) 何気なく脚を組み替えようとしたとき―― 「……やばっ♡」 ピチッと胸の辺りのシャツが張るような感覚。普段の自分にはなかった“生地越しの強調感”に、思わず背筋がピンと伸びる。 (……この感覚、なんか……すごく、エロい♡おっぱいを見せつけてるみたいで興奮する…♡) しかも、周囲の男性社員たちの視線が自分に向いているような気がする。 別に誰も見ていないのに、なぜかドキドキしてしまう。 (やばい、意識しすぎて変な姿勢になってる……♡) ――そのとき。 「島村さん、これ午後の会議資料です」 「えっ、あ、ありがとう……ございます……っ♡」 社内の男性社員に急に背後から差し出されたファイルにビクッとなりながら受け取ると、澪(精神は陽真)は自然と声がワントーン上がってしまっていた。周りの数人の社員もどことなく「最近、島村さんの雰囲気変わった?」という目で見ている。いつもの澪はもう少し無愛想だったため、雰囲気が変わったことに気づく従業員もいた。 (あー……なんか、アタシ、女として扱われるのに……慣れ始めてない?♡) そんな自分に苦笑しながらも、ふと気づいてしまう。 (なんか……悪くない、かも♡) ――と、その時。背後からひそひそとした声。 「島村さん、今日の髪型ちょっと色っぽくない?」 「わかる、しかも仕草が前より柔らかい気がする~♪」 (……やば、完全に“女性社員あるあるトーク”の対象になってる♡) 慌ててPC画面に目を戻しながら、澪(精神は陽真)は内心苦笑した。 (もう……どうしよう、このまま“女”になっていく気がする……♡) そのまま数分が経った- 午後のオフィスは静かで、パソコンのキーボードを打つ音が響いている。澪(精神は陽真)は、ふと自分の股のあたりに意識が向いた。 「……うふっ♡やっぱりなんか、変な感じするんだよな…♡」 女性用パンツスーツの裾を気にしながら、無意識に足を閉じたり開いたり。男の時とは違う身体の感覚に戸惑う。男の頃は股間の存在感が当たり前すぎて意識しなかったけれど、今はそこに「何もない」違和感がじわじわと迫ってくる。 (あぁ、ここに“何か”がないって、こんなに軽やかで自由なのか……♡) 同時に、又オフィスの周囲の視線が気になりはじめる。男性社員たちの目線が、自分の足元や顔に向けられているの気がしてくる。 「やっぱり……若い女性社員ってだけで目で追っちゃうよな…♡」 頬が熱くなり、心臓がちょっと速くなるのを感じる。今まで感じたことのない、ちょっとした優越感がさらに胸の奥で芽生えた。 (こんなに“見られる”って、変な感じだけど……なんだか興奮するな♡) 股間の違いに関してはまだ戸惑いも大きい。 (男の時は少しエロいこと考えたら勃起してきて、どうしても隠さなきゃって緊張してたけど、今は少し湿るだけで、そんな必要もないからいいな……♡) 股を閉じて座るたび、服の感触や周囲の空気が違うことに気づき、なんとも言えない心地よさと優越感がさらに増幅して交錯した。 「うふっ♡……本当にこの身体、悪くないな♡……」 ひそかな自信が湧き上がり、ついに自然に脚を組んでしまう。 「女の子って大変ね…♡」 そう呟いて、小さくクスリと笑った。 47.社内の女子トイレ 黙々と作業していた澪(精神は陽真)は、今年入社した元気な新卒OLの「東山 飛鳥」と、もう一人の今年入社したおとなしい新卒OLの「南川 玲奈」に声をかけられ、三人で手洗いへ行かないかと声をかけられる。 「島村先輩!よかったら一緒に手洗い行きませんか?」東山がにこにこと誘う。 「迷惑だったら、すみません…島村先輩と少し話したくて…」と南川も恥ずかしそうに頷いた。 澪(精神は陽真)は内心、女の子同士の距離感に少し戸惑いながらも、若い女の子にトイレに誘われることに少し背徳感や興奮を感じていた。もちろん了承して席を立ち、3人で談笑しながら同じ階の社内の女性用トイレに向かう。 女性用トイレに向かう途中、東山がふと話題を変えた。 「島村先輩って、彼氏とかいるんですか?」 澪(精神は陽真)は一瞬たじろいだが、女口調で軽く返す。 「うふっ♡いるわよ…♡でもね、今はアタシ仕事にも集中したいから、結婚はまだしない予定だけどね…♡」 南川も興味津々で、「島村先輩の考え方かっこいいです!キャリアウーマンって感じです!私なんか、彼氏いたこと無くて…」南川はそう話した。 東山も南川も整った顔立ちであり、系統としては東山は美人系、南川は可愛い系である。東山は彼氏がいるとのことだが、南川がいないのは意外だった。 澪(精神は陽真)は年下の女の子に女性として尊敬されることに優越感を感じていた、「うーん、そうねぇ♡恋愛って女の子の特権だし♡南川さんのエッチな誘惑で簡単に彼氏なんかできるわよ…?♡アタシがマンツーマンで男の落とし方教えてあげるわよ?♡」と、ほんのりエロい顔つきでニヤついてしまった。 中身が男なことに全然気づかず、南川は目を輝かせて、「島村先輩って本当に女として、人生を楽しんでる感じがして素敵です♪エッチな誘惑は少し恥ずかしいですけど…♪是非お願いします!」 東山も頷きながら、「島村先輩って前までは話しにくい雰囲気出てたけど、最近本当に話しやすくなったって同期の女子の中でも話題になってたんです!私も玲奈も、島村先輩と仲良くしたかったから、ほんとに嬉しいです!」と元気に話した。 澪(精神は陽真)はその言葉に女性として認識されてることに改めて優越感を感じつつ、「うふっ♡そうなの?じゃあまた、新卒の女の子達とアタシで女子会でもする?♡それに、愛想振り撒くのは女の特権だし、若いうちにぶりっ子しときなさい♡」と胸を張る。 三人の女子トークは続き、澪(精神は陽真)は女の世界の一員としての居心地の良さと、どこか背徳的な興奮する感覚の間で揺れていた。 (でも……“女子で連れション”って、ほんとにあるんだな……♡) 女性トイレに向かうだけで、なぜか勝手にドキドキしてくる。いつもなら「女子って面倒くさいな」と思っていたはずなのに、今は逆だった。誘われたことに、どこか「仲間」として認められたような誇らしさもあった。 女子トイレ- そんな話をしながら、女子トイレに到着して3人はそれぞれ個室に入っていく。トイレに入るだけなのに、横で若い女の子が排泄をしてると思うと、澪(精神は陽真)の秘部はすでに湿り気を帯びていた。 (やばい♡二人のスーツを脱ぐ音や排尿やおならの音がダイレクトに聞こえる…♡) 隣からは、チョロチョロと排尿の音やブゥといった可愛らしいおならの音、ブリッという排便の音もわずかに聞こえた…その後カラカラというトイレットペーパーの音や、控えめに水を流す音が聞こえてくる。 自分の体も女性だからこそ、周囲の音がやけに気になる。けれど―― (……でもなんか、この空間に“自然に溶け込んでる”っていうのが……かなり、興奮する…♡) 二人のトイレの音を堪能した後、澪(精神は陽真)も自分の尿意と便意を思い出して、パンツスーツとパンティを脱ぎ便座に腰掛ける。 精神が男の澪(精神は陽真)は横の二人に聞かせるように、おもいっきりおならをこいて、排便をし勢いをつけて排尿した。 プウゥ…ブッ、ブリッツ!!シャー!! さっきまで偉そうに先輩OLのように話していたのに、男のようなガサツな音を立てて下品に排便と排尿をすることに澪(精神は陽真)は興奮していた。 彼女の女の体で、お淑やかとはかけ離れた下品な行為をしていること、しかもその下品な行為を後輩二人に聞かれているであろうことにさらに優越感や背徳感もあった。 排泄を終えた後はカラカラっと思い切りトイレットペーパーを巻き取り、雑に肛門を拭いた。澪(精神は陽真)は少し拭き取り残しがあっても気にせずに、パンティを履き直してパンツスーツも履き直した。 本来の澪はかなりの綺麗好きであるため、必ずウォシュレットを使っていたが陽真はたまにしか使わない。澪(精神は陽真)のパンティは少し黄ばみと排便カスが付着した。 その頃、先に用を終えた二人は個室を出て鏡の前で待っていた。もちろん、ガサツにトイレットペーパーを巻き取る音や、排便時の下品な音は東山と南川にも聞かれていた。二人は少し引き気味で、尊敬していた先輩の嫌なところを発見していた。二人は顔を見合わせて苦笑いをしていた。 澪(精神は陽真)が個室のドアを開けると、すでに手を洗っていた東山と南川が、引いていたのをバレないように笑いかけた。 「ごめんね♡少しの前までちょっと便秘気味だったんだけ…久しぶりに快便だったわ♡うんちいっぱい出しちゃった♡」と、澪(精神は陽真)はわざとらしい女口調で返していた。 女性として尊敬していた先輩に、急に下品な話を振られて、二人はドン引きしてしまった。しかし、関係性を悪化させたくないため東山は少し引き攣った笑顔で答えた。「スッキリすると気持ちいいですよね!」南川も引き攣った顔でうんうんとうなづく。 (……明らかに、俺のガサツな仕草にドン引きしてるな♡でも、年下の女の子の引いてる顔見るの楽しいな♡) 女子トイレという“異世界”の中で、自分が“澪”として普通に振る舞っていることに、なぜか小さな優越感を覚えずにはいられなかったのだった。 48.当たり前の定時退社 午後の業務も終盤に差し掛かったころ。社内には少しずつ「あとちょっとで定時」という空気が漂いはじめていた。澪(精神は陽真)は、自分のデスクで簡単なPC作業を済ませながら、心の中でそっとガッツポーズを決めていた。 (よし、今日も無事に…澪として…バレずに過ごせた……♡) ちょうどそのとき、周囲のデスクから「お疲れさまでしたー!」という声がパラパラと上がり始めた。時計を見ると、ピッタリ定時だ。 澪(精神は陽真)は、男だった頃なら「ここから残業ですかね…」なんて空気を読んで上司の顔色を伺っていた記憶を思い出しながら、少しずつ帰り支度を始めた。 すると、背後から声がかかった。 「島村さん、今日も一日ありがとうね。あとはこっちでやっておくから、もう帰って大丈夫だよ」 振り返ると、部署の中でもちょっと偉い中年男性社員・「山口」が笑顔で声をかけてくれた。 (え、マジで? ♡こっちが言わなくても、言われなくても、「もう帰っていいよ」って……♡) 女の体って……ほんと働きやすいな、と澪(精神は陽真)は改めて衝撃を受けていた。 「ありがとうございますっ♡お先に失礼しますっ♡」 思わず口元から甘ったるい声が出てしまった自分に、「ちょっとぶりっ子過ぎたかな?♡」と内心で突っ込みながらも、彼は――いや、彼女としての自分は、小さな優越感に包まれて、足取り軽く社内をあとにした。 オフィスの廊下を歩きながら、澪(精神は陽真)は女性用パンツスーツのすそを片手でそっと押さえた。 (なんか…こうして“女性”として気遣われるって……まじで気持ちいいかも♡) そんな風に思いながら、彼はビルの自動ドアを抜けて夕方の風の中へ。 -続く-
