小説 【入れ替わり・恋人同士】⑥
-目次- ・16.二日目-日曜日- ・17.腹痛 ・18.お風呂 16.二日目-日曜日- 翌日の朝、ホテルの部屋にはまだ静かな空気が流れていた。疲れがたまっていたのか、ふたりはぐっすりと眠り続けていた。 やがて最初に目を覚ましたのは、澪の身体に入っている陽真の方だった。寝ぼけ眼でぼんやりと周りを見回し、身体の感覚に注意を向けると、じわりと尿意を感じた。女性の身体にいるからか、いつもとは違う不思議な感覚に少し戸惑いながらも、澪(精神は陽真)は静かにベッドを降りた。 布団の柔らかさをそっと離れ、裸足で冷たい床に足をつける。ゆっくりと動き出しながら、トイレへと向かう廊下の先まで歩を進めた。 トイレの扉をそっと開け、静かに中に入る。女性の身体で感じる尿意は、男性のときとは違い、身体の細かな変化に敏感な気がした。ゆっくりと便座に腰掛けると、自然と安心感が広がっていく。 澪(精神は陽真)はいつもとは違う身体の使い方に少し興奮しつつも、興奮気味にその時間を過ごした。静かなホテルの一室に、穏やかな時間だけが流れていた。 用を足し終えた後、澪(精神は陽真)はゆっくりと手を洗いながら、「これも、ひとつの思い出だな♡」と心の中でつぶやいた。身体は澪だけれど、心は陽真のまま。そんな不思議な感覚が、まだまだ続く一週間の始まりを静かに告げていた。 それから陽真(精神は澪)も起きてきて、服を着替えようとしだした。 二人はゆっくりと、それぞれ自分のバッグに手を伸ばした。陽真(精神は澪)は元の自分の女性用の可愛いカバンの中を探りながら、ふと気づく。 「そうか……今は私の身体に入っているのは陽真だから、私の服は陽真が着るんだよね」 恥ずかしながらも、自分の女の子らしい服渋々手渡す準備を始める。澪(精神は陽真)は澪の服を手に取り、その柔らかな手触りに少し興奮を感じていた。 「女の子の服って、やっぱり感触が全然違うな……♡」 そう呟きながら、ピンク色の可愛いワンピースを広げる。澪(精神は陽真)はちょっと興奮気味に、嬉しそうにそのワンピースを身につけ始めた。 一方、陽真(精神は澪)は陽真の男性用の服を受け取り、渋々ながらも袖を通す。普段自分が着ることのない男性用の服は少し違和感があったが、少し屈辱感を感じながら仕方ないと思いながら身支度を整えた。 そんな中澪(精神は陽真)は、昨日買ったばかりの黒いエッチなランジェリーを手に取り、ほんの少し照れた様子を見せながらも、その繊細なレースを指でなぞって興奮気味に楽しそうに着けていく。 「えっ、それ履くの!? ちょっと、やめてよ!?」 澪(精神は陽真)はにやりと笑いながら、 「つけるのダメなら、履かなくてもいいの?♡」 と言って、少し興奮した声で挑発する。 しかし陽真(精神は澪)はきっぱりと、 「それは絶対にやめて! 今日はノーパンはダメだからね!」 と真剣な表情で釘を刺した。 結局、澪(精神は陽真)はランジェリーを身に着けることに。繊細なレースが肌に触れるたび、彼の内側にある女の子の感覚が芽生え、不思議な高揚感が体を包み込む。 17.腹痛 チェックアウトを済ませ、ゆっくりと準備を整えた二人はホテルのロビーを後にした。陽真の男性の身体に入った澪は少し頼りなさげに歩き、ピンク色のワンピース姿の澪(精神は澪)は普段と違う自分の身体に優越感を感じながら、嬉しそうに歩いていた。 「とりあえず、澪のマンションに帰ろうか」と澪(精神は陽真)が言うと、陽真(精神は澪)は頷きながら電車に乗り込んだ。二人とも違和感を感じるものの、不思議と身体の動きには慣れ始めていた。 電車は程なくして澪のマンションの最寄り駅に到着し、二人は改札を抜けて歩き始めた。しかし、澪の身体に入っている陽真が急に顔をしかめ、お腹に手を当てた。 「……お腹が痛い」 驚いた陽真の身体に入った澪は、すぐに事情を察した。 「昨日無理して納豆を食べたからだよね? 私の身体は納豆に慣れてないから……」そう言いながら、彼女は澪(精神は陽真)に声をかけた。 「急いでマンションに戻ろう。無理しないで」 その言葉に澪の身体の陽真も頷き、小走りになった。 二人は昼過ぎの街並みを抜け、澪のマンションへ向かって急ぎ足で歩いた。身体が入れ替わっている二人は澪の家へと足を運んだのだった。 澪の家に着いた澪(精神は陽真)は、我慢できずに「トイレ!トイレ!」と心の中で叫びながら急ぎ足でお手洗いへ向かった。けれど、着ている女性用のピンクのワンピースの脱ぎ方がわからず、裾をもぞもぞ引っ張ってみたり、腕をひょいっと抜こうとしてみたりと、慣れない動作に四苦八苦する。 「うわ、これ脱ぐの難しい…なんでこんなにひっかかるんだ?」と小声でつぶやきながら、なんとかワンピースを脱ぎ、下着だけの姿のまま便座に座り込んだ。 昨日の納豆のせいでお腹が激しく痛み、必死に耐えて便座に座った。しかし、あろうことか間に合わず、思わず漏れてしまった。 「あっ……!」と焦りで顔が真っ赤になる陽真。慌てて下着の状態を確認し、どうにか汚れを最小限に抑えようとするが、その状況の妙さに胸の奥がザワザワと不思議な感覚に包まれてしまう。 漏れてしまったという恥ずかしさと動揺の中で、身体の反応は逆に少し興奮に変わっていくのを感じていた。 「こんな状況で…なんで…?」と自分でも驚きながらも、その微かな高揚感がどこか新鮮で、内心で密かに動揺している自分に気づく。 そんな自分を、少しだけ許せないような、でも否定もできないような複雑な気持ちを抱えながら、澪(精神は陽真)はゆっくりと気持ちを落ち着けようとしていた。 トイレの外で、陽真の体の澪が鼻をしかめながら顔をのぞかせた。 「…あの、なんかすごく……くさいんだけど?」と、小声で呟く。 澪(精神は陽真)は、慌ててトイレのドアの隙間から顔を出した。 「ごめん…本当にごめん!まさか間に合わないなんて思わなくて……♡」と、申し訳なさそうに頭をかく。 「ちょっと!私、27歳よ?いい大人よ?私の体でそんな失敗しないでよ!」と、陽真(精神は澪)は真っ赤になりながらも、少し怒り混じりに言った。 澪(精神は陽真)は少し照れくさそうにしながら、「本当に悪いよ。でも…なんか、不思議な感覚で…ちょっとドキドキしてしまって……♡」とぼそっと。 陽真(精神は澪)は目を丸くして、「え、なにそれ!?普通なら慌ててパニックになるところでしょ!?なんでそんな余裕あるの!?」とツッコミを入れつつ、怒りながらどこか呆れてそう言った。 澪(精神は陽真)がトイレで事件を起こした直後。ドアの隙間からひょこっと顔を出した彼は、申し訳なさそうに両手を合わせてこう言った。 「アタシ……うんちおもらし、しちゃった♡」 「やめろー!! 私の体で変な口調使わないでぇぇ!!」 しかも、ぶりっ子モード全開で両手を頬に当ててポーズまでキメている。 「いやぁ……こんな時、どうやって謝ったらいいか分からなくて……てへっ♡」 「謝るなら普通にしてぇぇ!!お願いだから!!」 澪(精神は陽真)はあっさり聞き流して、笑って誤魔化すように言った。 「でも、思ってたよりいろいろ大変だね、女の子の体って。トイレも慣れてないとテンパるし……服も、急いで脱げなくてさ」 「それで失敗したの? 私の体で!?」 「うん……ごめん。でも、みおのワンピースが上手く脱げなかったんだよぉ……♡」 「その口調やめてって!!もう!しかもこの状況だと、漏らした私を陽真が怒ってるみたいなのが本当に腹立つから!!」 結局、ふたりは事後処理のためにすぐさまバスルームに向かうことにした。 18.お風呂 バスルーム。 「脱げる? いや、無理だよね、ショーツ……スカートにうんちべったり漏らしてるし……」 陽真(精神は澪)は呆れながらも、タオルを持って澪(精神は陽真)に近づいた。 澪(精神は陽真)の体は下着の奥まで汚れきっていて、太ももの内側に茶色い排泄物が筋になって伝っていた。 「ご、ごめん♡……でも……やばい、ほんと……なんか……気持ちよかったかも♡……」 「バッッッカじゃないの!? 私の体で変な性癖目覚めさせないで!!」 「そういう意味じゃなくてさ♡……なんか、女ってすげーんだなって……こんな風にうんちを出しちゃって……ふにゃふにゃの内臓から押し出される感じとか、すっごく……リアルだった♡」 「だからっ!! やめてその実況みたいな言い方!! っていうか見てよ!? 見てこのパンツの中、茶色だよ!? ねぇ!? エロいとか言える状況じゃないから!?」 陽真(精神は澪)の悲鳴を浴びながら、澪(精神は陽真)は、いやらしい笑みを浮かべながら小さく頷いた。 「いや……正直、すっごい……勃ってる♡」 「私の体で何が勃ってるのっ!? それ膣だからね!? 膨らんでも“中”だからね!?」 「それがまた……よくない? 外じゃなくて中がうずくって、男にはわかんない感覚で♡……」 「黙れぇぇぇぇぇ!!!!」 ⸻ シャワーの音がようやくその場の空気を和らげた。 「ほら……お湯かけるよ……ちょっと冷たいかも」 「んっあっ♡……」 お湯が、うんちの汚れを洗い流すように滑っていく。 粘った茶色の液体が太ももを伝い、湯船の排水溝へとゆっくり流れていった。 その様子を、陽真(精神は澪)は無言でタオルを片手に拭っていく。 「ふふ……こうやって洗ってもらうのって……ちょっと……興奮する♡」 「今はそんなこと言わないでっ!!」 「だってさ……こうやって、洗ってもらうのって……なんか“女として愛されてる感”あるし……♡」 「……あんた、最低…私はこんな最悪な気持ちなのに…」 湯気が立ち込める浴室で、澪(精神は陽真)の身体はしっとりと濡れていた。 澪(精神は陽真)はシャワーを終えたあとも、どこか物足りなさそうに自分の体を眺めていた。 胸元、腰、太もも。男だったころの視線が、今、自分の内側から向けられている不思議。 「……うふっ♡」 鏡に映る“澪”の顔が、少しだけ悪戯っぽく笑った。 そのまま両手を胸に添え、ゆっくりと下から押し上げる。 「ねぇ、陽真くん~。ちょっと見てよ、これ……案外、でかいんだね。ほら、俺の――じゃなくて、“アタシの”おっぱい♡」 バスルームのドア近くでタオルを持っていた陽真(精神は澪)は、ピクリと肩を揺らした。 「は!? ちょ、何してんの!? 触んな、私の体を!!」 「だってさ~、せっかく一週間も女なんだぜ?? ちょっとくらい楽しまなきゃ損じゃな〜い♡?」 そう言って澪(精神は陽真)は、胸をもにゅっと両手で包み込んで上下に揺らした。 やわらかい感触に、つい「ふふっ♡」と笑いがこぼれる。 「……ほら、こーんなやわらかくて……ふにゅって♡……」 「わっ、や、やめてよっ!!」 澪は慌てて止めに入ろうとしたが、滑る足元でバランスを崩し―― 「うわっ!? ちょっ、あぶ……!」 ドサッ。 陽真(精神は澪)の目の前に、澪の体を乗っ取った“澪(精神は陽真)”が転がり込んできた。 がしっ――。 澪(精神は陽真)の胸元に、しっかりと、陽真(精神は澪)の大きな男の手がめり込んだ。 「…………」 「…………」 時間が止まった。 「…………いやん、揉まれちゃったぁ♡」 「い、いやちがっ、今のは事故! 事故だから! つるっと滑って、それで――っ!」 「もう…男の子なんだから…♡」 澪(精神は陽真)はにやにやと笑いながら、しゃがんだ体勢のまま、陽真(精神は澪)を見下ろす。 身体は小さくても、表情は陽真そのもの。やたら色っぽい“男の目”をした女。 「もしかして……アタシのおっぱい揉んだエッチな気持ちになった?」 「な、なってないわよっ!!あんたが急に動くからでしょ!?」 「うふ……男の子ってほんとエッチなんだから♡」 「ばっ……やめっ……最低っ!!」 だが、澪(精神は陽真)は止まらない。しゃがんだ体勢のまま、胸を突き出すように陽真(精神は澪)ににじり寄る。 「ねぇ、どうする? 一週間もこのままなんだよ? だったら……いっそ、お互いもっと素直になってエッチなことしてみないっ?♡――」 その瞬間、陽真(精神は澪)は湯気の中で完全に顔を真っ赤にした。 「だっ、だからって……変なこと言わないでっ!! エッチな顔しないで私の顔でっ!!」 そのあと、2人は体をシャワーで流して浴室を後にした…。 -続く-
