わるい小鬼せびりちゃん。
平素は格別のご厚誼を賜り厚くお礼申し上げます。
会社からの帰り道。
ふとお店を見ると、鬼のお面や福豆、恵方巻が売られている。
そういえば今日は節分だったか・・・。
まあ自分には関係ないかと家に向かっていたところ、
突然小鬼があらわれた。

無邪気に笑いながら、煎り大豆を投げつけてくる。
「おにはーそとー♪」
そして・・・
「ふくはーうちー♡」
そう言って胸元を広げる小鬼。
そこには誰かが差し入れたであろう福(沢諭吉)がたくさん入っていた。
なるほど・・・
此方も入れねば・・・無作法というもの・・・

折りたたんだ諭吉を小鬼の目の前に差し出す。
とたんに期待に満ちた表情を浮かべる小鬼。
わくわく、という擬音が聞こえてくるようだ。

胸元に諭吉を差し入れてみる。
恍惚の笑みを浮かべ悦ぶ小鬼。
福を招き入れられてとても幸せそうだ。
自然とこちらも幸せな気持ちになってくる。
さらに福を与えてやらねば・・・
・・・
・・・・・
・・・・・・・
ありったけの福をもらい、満足げに立ち去っていく小鬼。
すっからかんになった財布をポケットにしまうと、そこには先ほど投げつけられた大豆が入っていた。
先ほど目に焼き付けた光景を無限に反芻しつつ大豆をぽりぽりとかじりながら、幸福な気持ちで家路を急いだのだった。
それではまたお会いできる日までごきげんよう。
