超巨大皇女様のおさんぽpart 2:指先編

「 「 「それでは、今をもってして、

我が国とこの大陸の国々は“対等”な関係になりました。」 」 」

遥か高みから大陸全土を見くだしながら宣言する皇女ルシア。

麗しい微笑をたたえているが、巨大さ故、下界の人間には途轍なく不気味な笑顔にしか見えない。

「 「 「皆様にとっては、光栄な事ですよ。

おめでとうございます。」 」 」

「 「 「おお!何だかわかんないけどおめでとーございまーす!」 」 」

ルシアと対照的に如何にも何も考えていない奴隷女巨人カマラ。

ズドォォンッ…

ズドォォンッ…

ズドォォンッ…

巨大な衝撃波が上空から襲いかかり、大洋が割れ、山脈が崩れ、群衆が潰され血煙に変わる。

「 「 「カマラ、おやめなさい…

あなたの拍手が尊い命を潰していますわよ…」 」 」

巨大な衝撃波の正体は『ただの拍手』だった。

「 「 「え〜、ごめんなさぁい…

でも流石に弱すぎないですか?軽く手を叩いただけで…」 」 」

不満気に口を尖らせる奴隷女巨人。

下界の人間からしたらたまったもんじゃない。

「 「 「逆ですよ…

私達が強すぎるだけです。

いい加減、最強の種族だという自覚を持ちましょうね?

み な さ 〜 ん 、

大変申し訳ございませ〜ん…

私の所有する奴隷女カマラが少し粗相してしまいました。

しつけは徹底しているのですが…。

まぁ、彼女も

『たかが奴隷身分の女が手を叩いただけで、

無様に散るほどザコだった』なんて想像できてなかっただけだから、

大目に見てやってください。

さ て 、

本題に戻りましょう。

友好関係を築くにあたって皆さんには課題があります

それは『仲直り』です。

平和が一番

戦争反対

暴力反対…

…ですよ?」 」 」


人類にとっては笑えない冗談だ。

彼女こそ、

歩くだけで、呼吸するだけで、立っているだけで、存在するだけで、大破壊をもたらす、

暴力そのものを体現したような存在だ。

「 「 「わたしから見たら、微生物同士ががちっぽけな小競り合いを繰り返してるようなものですが、

わたしが『お友達』として皆さんの力になってあげましょう。

わたしにとって戦争を止めるのはすごく簡単です。

足や手で物理的に叩き潰すか、

鼻からでも口からでも、軽く吸い込めば、一人残らず胃液の海に送れます。

膣や肛門でも軽く吸い殺せます。

唾や小便、糞でも圧殺しちゃえます。

みなさん微生物同士の戦争なんてどうとでもできます。

そして、『超平和主義者』のわたしは

戦争が大嫌いなのです。

理不尽な暴力を絶対に許しません。

なので、普段からどこかで戦争が起きたら真っ先に駆けつけて、

一匹残さず潰すようにしてるんです。

まぁ、みなさん唯一知性くらいはわたしと同等かそれ以上はあるはずですので、

まさか、この状況に及んで、いまだにショボい小競り合いを続けたりはしないはずなんですが…。

おかしいですね…?

死者数がずっと増え続けていますよ?

まだ無意味な戦争を続けているのですか?

潰されたいのですか?

」 」 」

もちろん、

人々は、そびえ立つ『生きた超巨大災害』を目の前にして、

戦争を継続する余裕などない。

それでも死者数が増え続けている原因は、

巨人2人の何気ない仕草(呼吸や立つ重心を変えたりなど)である。

「 「 「う〜ん…

でも今日のわたしは少し機嫌がいいので潰さずに生かしてやります。

もう『お友達』ですしね。

わたしに平和的な解決策があります。

そもそも、

同じ大陸なのに、国がいくつも別れちゃってるから、戦争が起きるのです。

一つになってしまえば戦争は起きないはずです。

」 」 」

「 「 「あっ…ルシア様…

あたしわかっちゃいました…。

もしかして…こういう事ですか?

もう少し巨大化して、大陸を丸めてお団子にして、

喰って『うんこ』として“ひとつ”にまとめるつもりですか?」 」 」

「 「 「それも素晴らしいアイデアですが、

違います。

お友達を全員消化したら意味がないでしょう?

できるだけお友達の数を減らさず、

大陸を一つにする、

平和的な手段が理想です。」 」 」

「 「 「そんなことできるんですか?」 」 」

「 「 「ええ、

わたくしの外交手腕の見せ所ですわ。

すでに魔法奴隷達に『転送魔法』の命令は下しております。

」 」 」

魔法奴隷とはルシアの傘下にされた元・魔法大国の魔術師集団で構成される奴隷軍団である。誇り高き最強の魔術師集団だったが、ルシアには極めて原始的な隷属関係を結ばされている。(命令を聞かなければ国ごと潰される)

ルシアが外遊に赴く際は彼らの首都ごと携帯される。

ルシアの命令を遂行する為には膨大なマナ(消費魔力)を要するが、特殊な魔石により、ルシアの無尽蔵の筋力値をマナに変換することにより、遂行を可能にしている。

そして、今回彼女が命令した『転送魔法』とは、

その名の通り、物体を瞬時に遠く離れた場所へテレポートさせる空間系魔法だ。


それで転送する物体は…

人間約800人。

八王国の8人の王を含み各国から百人程の王族貴族官僚達。

転送先は、広大な平原。

「ど、どこだここは!?」

「巨人女ら何処に行った!?」

パニックになる王族達。


見渡す限りの肌色の平原。

大地には谷が、奇妙な規則的模様で走っている。

独特な匂い。

巨人襲来時から脳を溶かし続けていた濃厚なフェロモンが、更に濃度を増している。

肌色の谷からも淫臭の雲が昇り、更に特濃の匂いが空からも叩きつけられてくる。

見上げる人々は恐怖で固まる。

こちらを睨みつける…


眼。


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ . . .

「ヒィッ…」

「ば、バケモノ!」

「 「 「えっとぉ…

これだけですかぁ?」 」 」

そう。

彼らの転送された先は…






ルシアの指の先だ。

一瞬で遥か上空、雲海より数kmもの標高の移動は気圧差に人体は耐えられない

はずなのだが、彼らは爆散しなかった。

魔法奴隷の強力な防御魔法により彼らの肉体の耐久値は数兆倍にまで激増された。

彼らは、今や剣も槍も矢も通さぬ強靭さを得たのだ。

ドラゴンのブレスさえも痛くも痒くもない。


加えて複雑な魔法術式により、酸素の薄い上空でも地上と同様の呼吸が可能になっている。

そのため、彼らの周囲から酸素が一気に無くなった事に気が付かなかった。

周辺の大気は全て、極太の鼻毛ジャングルが生い茂る巨人女の鼻孔に吸い付くされていた。

巨大な声帯が蠢く。

「 「 「こ ん に ち は 〜」 」 」


ド ッ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ . . .

突然の轟音に、指紋の上の王族達は地に這い、のたうち回る。

超巨大皇女の口腔から発せられた轟音は、ドラゴンのブレスとは比にならない破壊力を持つ。

魔法で耐久値を上げられているから圧壊しないで済んでいるが、もう少し大きな声を出されたら四肢が千切れ内臓も潰れてしまうだろう。

ドラゴンのブレスなどミジンコの鼻息、

いや細胞膜呼吸以下だ。

這いつくばりながら、血反吐で皇女の指の大地を汚す王族達。


阿鼻叫喚の彼らと対照的にルシアは指の腹のゴミ粒をまじまじと観察する。

彼女にとって、点以下の存在の彼らを目視することなどできないが、

魔法奴隷による高度な魔術により、

彼らの細部まで視認することができる。

血反吐にまみれ無様に泣き叫ぶ貴族の表情までよく見える。

魔術により、視覚情報だけでなく、

音も聴き取ることができる。

絶叫、慟哭、怨嗟、悲嘆、号泣。

それらが織りなす不協和音。

眼球の下部を覆う涙袋が

ドドォッ

っと隆起する。

巨人女が指先のコーラス隊を見下ろし愉悦の表情を浮かべたのだ。

彼女が快感に浸る間に、

何人かの貴族達は立ち上がり果敢にも、

いや無謀にも巨人の瞳孔目掛けて矢を射る。

何kmもの厚みの指の腹に剣や槍を振り下ろすも、

武器の方が粉砕する。

「 「 「な る ほ ど ぉ . . .

さすがですねぇ…

魔法奴隷に命令して、

身分の高い王様や貴族様の方々のみを選び、転送させた甲斐がありましたぁ…

やっぱ相当なご身分のようですねぇ?

だ っ て ぇ . . .」 」 」


ギ ロ オ ォ . . .

「 「 「わ た し の 指 に 土 足 で 立 つ だ な ん て . . . 」 」 」

彼女の一言で王族達は恐怖に襲われる。

何人かは即座に履物を脱ぎひれ伏す。

急ぎ履物を脱ごうにも、騎兵用の具足は脱ぐのに時間がかかる。

普段は従者に武具の着脱を任せていた為に具足の脱ぎ方もわからない者もいる。

そして、これはかなり少数たが、

引き続き剣を振るい届きもしない眼球へ矢を放つ者もいる。

「 「 「ふ〜ん…

じゃあ、こうしましょう。

魔法奴隷のみなさん…

お前達に命令します。

靴を脱いでひれ伏している者『以外』全員の防御魔法の効果を半分にしなさい。

」 」 」

彼らの仕事は早い。

すぐに無礼な対象者の防御効果が半減する。

半減したとはいえ依然ドラゴンのブレスを涼しめるほどの防御力は残されている。

半減された側も特に魔術効果減少の実感もなく、

視覚的変化も無い。

『ルシア様。完了いたしました。』

魔法奴隷の長が魔法でルシアの頭に直接そう告げた。

ルシアは嗜虐的な微笑で舌舐めずりしてから…


「 「 「 つ ぶ れ ろ ?」 」 」

ド オ オ オ オ ッ ッ ッ 

プチプチプチプチ


わざと低くドスを効かせた巨声が、

音の巨塊となり王族貴族達を押し潰した。

恐怖に屈服され、ひれ伏していた者たちは防御魔法で一命をとりとめたが、

それ以外の無礼な虫けら達はあっけなく爆ぜた。

人差し指の上には服従の形を見せた者のみが残された。

「 「 「う〜ん?

やっぱりコレが一番効率がいいですねぇ…

不要なゴミクズを効率的に除去できました〜」 」 」

「ひいいいっ」

「な、何てバケモノだ…」

「声だけで、一瞬で血煙となったぞ…鎧一つ残さず…」

「巨人よ!王の座をそなたに譲ろう!だから我一人でも助けよ!!」

「な、何でもします!奴隷にでもなりますので命だけは…!」

「 「 「ああ〜、そうそう

従順なみなさんは安心してくださいね~

出来るだけ潰さない努力はしますので〜?

だってお友達ですからね?

あ、そうだ…

お友達になるわけだから握手しましょ」 」 」


ドッゴオオオオオオンンンンンンンンンンンンンンン

プチプチプチプチ…

防御魔法の限界を余裕で凌駕する握力により彼らは一瞬で爆縮された。

「 「 「はぁい平和の握手です?」 」 」

「 「 「あっ…ルシア様…

普通に潰れたんじゃないですかぁ?」 」 」

「 「 「あらやだー…

ま、これで大陸は政治的にも一つになりましたし、

結果オーライですわ」 」 」

「 「 「そーなんですかねー

てか、この人絶対わざと握りつぶしたんじゃ…?」 」 」

「 「 「なにか?」 」 」

「 「 「いえ…」 」 」

「 「 「さて、そんなことより…」 」 」

下界を睥睨するルシア。

彼女の言うように、8個の政治体制が握りつぶされた。

そして彼女の意図通り、戦争は終わった。

一部始終を恐怖の面持ちで見上げることしたできなかった哀れな兵士たちにルシアは声をかける。

「 「 「残されたみなさん…

まず、謝罪をさせていただきます。

たった今、

平和の握手で、

うっかり、

王様や貴族の方々を圧殺してしまったようです。

一粒残さずに。

えっとぉ…

それより前に

うちの臭い奴隷女の臭い唾の飛沫で、

何万だか何十万人かわかんないですが、

潰れたみたいで、

大変申し訳ありませんでした。

う〜ん…

でも一つ疑問なのですが…

今謝罪した二つの些末な出来事からもわかると思うのですが、

圧倒的に、根本的に、生物としての格の違いがあると思うんですが、

それでもそんな私達に敵意を持って攻撃を仕掛けている方々がまだいらっしゃるようですが…

何故でしょうか?

あ、いえ、これは怒ってるわけじゃないんですよ

わたしには実害は無いですし

ただ純粋に疑問なので…

人差し指の上で皆さんの王様が無様に潰されて、

奴隷女に唾で同胞を潰されて、

圧倒的な力量差を見せつけられて、

それでもまだ何か自分にできることがある

という勘違いできるのが不思議でなりません。

一匹のミジンコが巨象の群れを押し返すよりもあり得ないんですが。

カマラはただ喋っただけですし、

わたしはただ平和の握手をしただけですよ?

『本当の暴力』をお見せしないとわからないのでしょうか?

今この大陸全土にかけられている

極大防御魔法を解除させてみますか?

更にわたしたちの超縮小を解除させて、

『本来の大きさ』まで巨大化しましょうか?

そうなったらこんなゴミみたいな大陸は殴る蹴るまでもなく、片方の鼻孔一つで塵一つ残さず吸い尽くせます。

逆に防御魔法を幾重も重ねがけした皆さんを丸呑みしてさしあげましょうか?

胃袋の中でゆっくり消化されてみます?

生きたまま消化されるのは想像を絶する激痛らしいですよ

もう少しわたしの機嫌が悪ければ実践していました


とは言え、あなたがたが奉仕する対象が潰されたわけですから…

生きる意味も見出せないでしょう。

存在価値も皆無になったのは事実ですね。

でも、かと言って

皆さんがわたしの奴隷になるにはあまりにも非力すぎますから、無理ですよね…

あ、でも試してみないとわかりませんねぇ

皆さんも虫けらなりに貢献できるものが何かあるかもしれませんし

それでは、さて、皆さんにはどんな奉仕ができるのでしょうか?

あ、そうだ

皆さんにぴったりの役目があります」 」 」

グオオオオオオオオオーーーーッッ

突然人々の頭上にしゃがみ込む巨人女。

塵のように軍が舞い上げられる。


「 「 「排泄物処理奴隷なんていいんじゃないですか?

皆さんみたいなゴミでもできますよね?むしろお似合いですよ

じゃあ今からバカでかい糞を出すからしっかり分解してくださいね~」 」 」


反応あれば続きます。











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