超巨大皇女様とふたなり召使いのお散歩(ついでに侵略)
2人の巨人が大洋を越え、大陸に襲来した。
ズウウウンンン…
「巨人だあああ!!」
「ひいいいいい!!」
「あの海を渡ってきたのか!?歩いて!?」
「 「 「ごきげんよう、下々の虫けらのみなさん」 」 」
右側のいかにも高貴な身分の女性が口を開いた。
「 「 「わたしは大ティタニア皇国第三皇女ルシアナ・マギア・ティタニア
突然ですが今日からこの大陸?わたしには小さな島にしか見えませんが…この大陸の皆様と“友好的”な外交関係を築きたく、お邪魔いたしました。
皆様と対等な関係を築きたく、条約を制定いたしました。
昨日思いつきで公文書を発行させました。
それでは、カマラ?
読み上げて…」 」 」
急に名前を呼ばれたほぼ裸のふたなり巨人女は、うろたえ、ボソボソとつぶやく。
「 「 「あっ…はいえっと…
ご、ごめんなさい…
あの…」 」 」
「 「 「あらら、奴隷に文字が読める訳ありませんね…
あ、虫けらのみなさん…紹介が遅れました
こちらの脳みそまで筋肉化した女は、卑しい奴隷身分のカマラです
デカマラのカマラです
皇女のわたしが随身もなしに外をお散歩することは許されませんので、お供として…
まぁ、巨人族のわたしを襲おうとする虫はいませんから、護衛なんて意味ないですが…」 」 」
時は少し遡る―――――
そこでは、七つの大国が覇を競っていた。
戦争を繰り返し、各々勝利と敗北を積み重ね、戦術や兵器を爆発的に進化させた。
進化は彼らの中に慢心を産んだ。
自分たちの大陸こそが最強だ。
いずれは「海の向こうの蛮族」も侵略してみせる。
「海の向こうの蛮族」に関しては古文書にわずかに描写がある程度で、詳細は判明していなかった。
「火薬さえも発明されていない」「女しかいない」「男根の生えた女がいる」「地鳴りや地響きや巨獣の咆哮のような轟音が聞こえてくる」「向こう側から巨大津波が頻繁に来る」「季節風に乗って体臭のようなイヤらしい匂いが襲って来る」
以上のことが数少ない情報だ。
蛮族どもはいずれ我が大陸を平らげてから、それから蹂躙しに行けばいい。
七大国の王達はそう考えていた。
そして彼らは確信していた。
今日という日が歴史の分水嶺になる、と。
少なくとも七大国の内一つの大国が今日の戦争で滅びるだろう。
彼らの予想はあながち間違いではなかった。
滅びるのは一国どころではなく、滅亡の原因も戦争などという生易しい災いではなかったのだが…。
軽装歩兵約30万
重装歩兵約20万
騎兵約15万
戦象兵約5万
竜騎兵約3万
という壮観。
しかも上記の兵数に加え、
非正規の補助兵や馬丁(馬の世話係)などの従者も合わせればその3倍の人数がいる。
2000万人以上の人間がひしめく巨大軍団。
七王国それぞれの平均兵数が2千万であり、
単純計算で掛ける7で一億4千万人という人間が国の命運を賭けぶつかり合う。
一億4千万の人間、
それより重たい戦馬が105万頭、
更に巨大な象が35万頭、
更に更に巨大なドラゴンが21万頭。
それらが駆ける。
当然大地は揺れる。
戦場にちかい町の馬車がカタカタと音を立てる。
地震の無い地域なのに。
大戦の規模を物語る。
文明同士がぶつかる衝撃のようだ。
億単位の魂のぶつかり合い。
平原での会戦に並行して、巨大な城郭都市における攻防戦も激化していた。
山のように巨大な攻城兵器が城門に叩きつけられる。
ドオォン…
何トンあるかわからない金属で出来た羊の頭を模した鎚が轟音を鳴らし打ち付けられる。
分厚い城門が少しひしゃげるが、まだまだ時間は掛かりそうだ。
巨岩がカタパルトから放たれ、堅牢な城壁に当たり砕ける。
城壁のほうも余程頑丈なようだ。
戦という破滅的な惨劇が起こるというのにも関わらず、いくぶん楽観的な思考の者も多くいた。
(今日幾千万もの兵達がその身を散らそうと、
その先に大きな栄光がある。
幾千万もの屍の上に道が築かれてきた。
これまでの人類の歴史もそうだった。
これからもそうだろう。
勿論、屍になるのは敵であり、その上の道を歩むは我々だ。)
そういった気概が各軍の士気を高めた。
ドドドドド…
あり得ない程の地響き。
空を圧す鬨の声。
これが我が軍の力。
昂る士気に呼応するように、
激しさを増す、地鳴り。
踏み鳴らせ。
ドラゴンの咆哮。
ドラゴンの生臭い獣臭と馬と人の汗の匂いがむせ返る。
今はそれさえも脚に腕に力を与える。
一億の肺の全てを出し切るかのような怒声。
全ての振動が最高潮に達したその瞬間…
ズ ウ ウ ウ ウ ウ ン ン ン ン ン ン ン ン ン ン ン . . .
途轍もない縦揺れ。
先程までの一億の兵の地響きなどまるで、蟻の足踏みにしか過ぎないほどの衝撃。
全軍止まった。
止まれ、などという指令は無く、止まった。
無理もない、その縦揺れは地に這う虫けらのような軍団を軽々と放り投げたのだ。
静寂。
雄叫びが飛び交っていた戦場が嘘かのように。
言いようの無い恐怖で言葉は出ず、思考さえも一瞬止まる。
(どこの国の兵器だ…?)
周りを見渡せば、ほとんど全員が這いつくばるように倒れている。
(な、何て凄まじい威力…)
馬がいななき、象が吠え、
ドラゴンが咆哮をあげ静寂を破る。
生暖かい風とともに、
ニオイが上書きされる。
億の男たちの体臭が、
馬の、象の、ドラゴンの獣臭が、
何か濃厚なニオイに上書きされる。
極濃の雌淫臭。
戦場の全ての雄の股間から精液が放たれる。
同時に本能に恐怖を植え付けられる。
弱小草食動物が最強肉食獣の臭気を察知するのに似ている。
最強の生物ドラゴンでさえ、まるで何かに怯えるかのように…。
気高き“地上最強生物”ドラゴンは圧し潰されたプライドを立て直すように全力の咆哮を上げる。
グオオオーーッ
戦場の兵士は鼓膜が破れないように慌てて耳を塞ぐ。
そのとき…
「 「 「お゛ お゛ お゛ お ぉ 〜」 」 」
グ ラ グ ラ グ ラ グ ラ . . .
遥か上空から轟音の塊がのしかかり、
プチプチプチプチ…
と、巨大なドラゴンさえも圧殺されそうになる。
音圧で骨も折れ肺も潰れる。
音波の津波で大地が波打つ。
地が割れ、山が崩れる。
不運な街は住民もろとも潰れ弾けた。
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ . . .
まだ音による余震が続く。
轟音の正体はわからない。
わからないが、
何か途方もなく巨大な生き物の「声」のようである
と、本能が理解してしまった。
しかも、野太く、気の抜けたスローモーションの巨声には言いようのない程の色気があり、
「女」の声だと聞き分けられる。
ドラゴンの咆哮などこの轟音に比べれば、
微生物の寝息でしかない。
「 「 「ち っ ち ゃ あ あ あ あ あ い」 」 」
再び、音の暴力が大陸を蹂躙する。
虫けらのように地に伏せ天を仰ぐ兵士たち。
「何だ…アレ…?」
グ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ーーーーッッ
巨大な質量の塊が上空から落ちてくる。
カタパルトで飛ばされる巨岩の何百倍も大きい塊。
重さで言えば何万倍もあるだろう。
巨塊が落ちる先は、
城塞都市だ。
ゴ ゴ ゴ ゴ …
グ オ オ ン ン ン . . .
謎の巨大物体が、城塞都市に影を落とし…
ド オ オ オ オ オ オ ン ン ン ン ン ン ン ン ン . . .
城塞都市が消し飛んだ。
城壁に穴が開くというレベルを遥かに越え、城塞都市とその周囲の町々もろとも、
周りに群がっていた攻城部隊もまとめて圧殺された。
ゴ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ッ ッ ッ . . .
巨塊の落下の衝撃波が周囲を襲う。
あまりにも凄まじい破壊力に呆けていた兵の群れが万単位で突き上げられ消し飛び血煙と化す。
遥か遠くで眺めていた兵士は、同胞も敵も一緒くたになった血の霧に包まれる。
血生臭さに嘔吐しそうになる。
その一瞬後に遅れて別の臭気が大気を覆う。
どこか嗅いだことのあるような、しかし、濃度が数億倍にも増幅されたそのニオイが巨塊の正体のヒントになった。
かつて城塞都市があった場所の土煙が晴れていく。
そこに鎮座する巨大な塊。
大陸で一番深い谷を形成し、中央に盛り上がる物体は逆に大陸で一番標高が高い。
テカテカとぬらぬらと濁った粘液塊。
イヤらしい臭気でわかる。
途轍もないヨダレ臭さ。
それが
正体不明の巨大過ぎる生物の、
巨大過ぎる口内の、
巨大過ぎる唾液腺から
分泌された唾液。
唾液から放出され続ける特濃淫臭フェロモンに
鼻孔と肺と脳を犯されながら、
生存者達は考える。
(この巨大生物の唾がこの城を潰したのか。
俺達が死に物狂いで必死こいて攻め続けても
落ちないこの城を…?
そんなバケモン存在していいわけない…。
ドラゴンか?
いや、唾でさえドラゴンより遥かにデカい…
バカな…あり得ない…
でもさっきのバカデカい声は…
いやそんなバケモン…存在するわけ…)
思考は、濃厚さを増す淫臭に遮られる。
恐怖と裏腹に股間は痛い程に勃起し何度も射精を繰り返す。
脳裏にこの巨大な唾を吐き出した生物の容姿を妄想する。
巨大な女…?
いや、馬鹿げた妄想だ…。
更に日が陰る。
突然の夜。
違う、
太陽を遮る…
巨大な女体…
しかも二体。
※※※
ここからは上空からの視点。
雲海を水溜りのように蹴散らす超巨人二体からの視点。
地上の阿鼻叫喚とは別世界かのように悠々と歩を進める巨人女たち。
皇女ルシアナは少し不機嫌な声を漏らす。
「 「 「あら?」 」 」
「 「 「どうしましたか?ルシア様?」 」 」
「 「 「いけませんよ…カマラ…」 」 」
「 「 「え?わたし何かしちゃいました?
『ちっちゃい』って言っただけですよ?」 」 」
「 「 「今、あなたは何十万人も虫けらを潰しましたよ…」 」 」
「 「 「え!?いつですか?」 」 」
「 「 「今から“友好的”国交を結ぶ国民を虐殺するのはいけませんよ。」 」 」
「 「 「あたし何もしてません…」 」 」
「 「 「防御結界にも限界がありますからね…」 」 」
防御結界―――
強力な結界魔法である。
とは言え彼女達は魔法が使えない。
巨人女性は力や耐久などの物理面のパラメーターはカンスト以上の数値だが、
魔力や知性はあまり高くない。
代わりに魔術師集団を奴隷として飼い、使役している。
防御結界魔法も奴隷魔術師達が編み出した魔術だ。
今回、ルシアが外交するにあたり、“一応”人的被害を抑えるため、という名目で大陸の沿岸部付近に結界魔法をかけさせている。
巨人女2人の「ただの歩行」や「ただの会話」、「ただの呼吸」でさえ、人間には巨大災害でしかない。
その為に防御結界をする必要があった。
とは言え、一級魔術師が何人集まろうとこの巨人達の災害級の「所作」を防ぎようがない。
たかが人間の魔力にも限界がある。
そこで、特殊な魔石によりルシアの体内から生み出されるエネルギー(鼓動、筋肉の動き)を魔力へと変換し魔術師達に供給することにより、魔力を補っている。
しかし、ルシアの言うように、
それでも結界の防御力にも限界がある。
別の魔術師奴隷集団による「偵察魔法」で
大陸内部の惨状をつぶさに観察し、
ため息をつくルシア。
「 「 「カマラ…今しがたあなたが何気なく「ちっちゃあああい」って喋ったことで、
彼ら虫けらさんに災いをもたらしました」 」 」
「 「 「えっと、あの、そんなことで、ですか?」 」 」
「 「 「あなたの「ちゃ」の音の時に唾のしぶきが飛んで、
城塞都市が潰れたようです」 」 」
「 「 「しぶき?」 」 」
恐ろしことに、城塞都市を押し潰した唾の正体は、無意識に唾の「飛沫の一粒」でしかなかった。
巨人の小さな唾の飛沫でさえ人間にとっては都市サイズなのだ。
「 「 「かわいそうに…
突然わけもわからず、空から降ってきたくっさい唾汁に潰されたんですよ?
くっさい巨人奴隷女のくっさい唾に…」 」 」
「 「 「まさかそんなことで潰れちゃうくらい弱いなんて知らなかったです」 」 」
「 「 「しかも、歯垢も少し飛んだみたいで、人間の群れに直撃したようですわよ」 」 」
「 「 「あたしの歯糞が?」 」 」
巨大歯垢災害の惨状はルシアの脳に直接映像として送られていた。
巨人奴隷女の濃厚な歯垢の隕石が何万という人間の群れに直撃した。
二つの軍団が歯垢に潰され、それでも勢いは弱らず、転がり続ける。
山を圧縮しその先にいた軍団にゆっくりと迫る。
空から降ってきた臭い塊にゆっくりと圧殺される軍団。
死の間際、彼らは本能で
これは「女の口臭」だ
と理解した。
勢いが弱まりゆっくりとのしかかる歯垢を至近距離で観た犠牲者たちは恐怖で震える。
歯垢の中に何かを見てしまったからだ。
それは、歯垢から片手を突き出した人間の胸から上が見える。
いや、それにしては大きすぎる。
巨像だ。
その像は胸から下が途轍もなく巨大な力で板のような薄さに潰れている。
巨像は200メートルはある。
太陽神ヘリオロスをかたどった像であり、ロドロス島のランドマークだ。
かつて港の入り口を跨ぐように力強くそびえ立っていた。
それが今は無残に潰され、巨人奴隷女の歯垢に埋もれ、消化分解され、かろうじて形だけ保つカスと化してしまった。
その事実を眼の前に突きつけられ、歯垢に押しつぶされつつある、兵士たちが皮肉にもロドロス島出身の補助兵だった。
故郷の巨神像に対して冒涜を犯した者が、身分の低い奴隷女と知れば、彼らは怒るだろうか?
いや。
巨像でさえ喰いカスに埋めてしまうほどの巨人に対しては、怒りよりも恐怖が勝つだろう。
ああ故郷の島が巨人に喰われたのか…。
「 「 「あたしの歯糞だけで全滅するとかザコすぎて笑えますねえ
でも、あたしみたいなカワイイ女の子の歯垢に潰されるならザコ虫どもも喜んでますよね~?」 」 」
「 「 「あなたみたいなくっさい奴隷女のくっさい歯垢に潰されるとか、流石のわたしもゴミ達に同情しますわ
毎日歯磨き奴隷に磨かせているわたしを見習いなさい」 」 」
歯磨き奴隷とは、文字通り歯を磨く奴隷だが、
カマラのような巨人奴隷ではなく、
普通の人間サイズの奴隷である。
巨人女性の口腔内という極めて危険な労働環境のため、
いわゆる「消耗奴隷」扱いとなる。
何万人もの歯磨き奴隷が一回の清掃に使用される。
いかなる道具を使おうと所詮人間に巨人女性の歯垢を削ることなどできるわけもない。
唾液の海に溺れたり、歯間に落ちたり、噛み潰されたり、最終的に丸呑みされたりして、
生存者はいない。
実際歯磨きの効果は皆無であり、
口内環境は奴隷女カマラと皇女ルシアでは大差はない。
※※※※※
反応があれば続くかもしれません
