・・・余と一夜を共にしたいと申すか?
「ふふん、どうした? 息が荒いぞ、マスター?」
夜の帳が下りた王宮――もとい、ベッドの上に寝転ぶネロは、
艶やかな笑みを浮かべながら、胸元をゆっくりと寄せてみせる。
真紅のメイド服は、皇帝の装いとはまるで違うが……
なぜだろう、着こなしているのは誰よりも「余らしい」。
「どうせ余に見惚れておるのだろう? よいぞ、存分に見よ!
ほれ、こうして大胆なポーズをとってやろうではないか!」
赤く染まった頬を誤魔化すように、ネロはさらに身体をくねらせた。
しかしその瞳は、真っ直ぐにこちらを見つめたまま。
「……な、なに? そのまま……近づいても、よい……ぞ?」
いつもの自信家の裏に覗く、かすかな揺らぎ。
それすらも愛おしく思える、そんな一夜のはじまり。
「責任、取るのだぞ? 我がマスターよ。」




