おりふた 王女
■
おり ふた ところてん

亡国の王女と王妃。復讐を成し遂げるため蛮族の王へ助力を求める
■重税にあえぐ民は、王家に近いアクタレス家の門を叩いた。
民思いと評判のアクタレス伯爵は嘆願を受けたものの、財務中枢を取り仕切る派閥とは折り合いが悪く、道は険しい。
肩を落とす民の声を、伯爵の息女マーガレットが耳にしたのは、その日の黄昏だった。
自分に権勢はない。ただ、第一王女とは幼い頃からの友で、今も親交は続いている。
王女なら女王に実情を運べる。女王も王女も、民の苦しみを知らされていないのだろう。知らされていれば放っておくはずがない。
真実は財務の派閥で止められている――マーガレットはそう信じて立ち上がった。
やがて謁見の間。王女は静かに口を開いた。
「何を勘違いしているのかしら。伯爵家の娘が、私に意見をするつもり?
民が苦しい? 苦しめる程度ならまだ持つわ。税はさらに取り立てる。どれほど苦しもうが、知ったことではないわ」
その言葉は、幼馴染に向けるものとは思えないほど冷たかった。
そしてその日を境に、マーガレット=アクタレスは姿を消した。
後日、彼女によく似た人物が最底辺の娼館で下級娼婦として働いているという噂があったがその真偽は定かではない。
