勇者と魔王(仮)2

■その1(https://www.fanbox.cc/manage/posts/5116337)

■登場人物


・勇者:王国のとある村出身。女神の加護を受け魔王を倒すべく邁進する。

真面目で勝気だが、臆病な一面も。


・カスミ:回復術士。勇者の幼馴染のおっとりしたお姉さん。勇者を助けるために

自らの幸せを捨て、献身的に努める。


・サザンカ:魔法盾使い。パーティーのムードメーカー

戦闘力には乏しいが、パーティーを守るための要。新兵でありながら王国魔法盾騎士勲章を受勲。


・バルハナ:王国随一の槍使い。王族警護を行っていたエリート。少々天然気味。


・ラーボ:壮年の魔術使い。パーティーの保護者的な立ち位置をこなす。扱う魔法は強力


■SS

レテン帝国から魔王の城を目指すことになった勇者一行は

通り抜けの許可を得るためにレテン帝国宰相フィーエスとの面談に向かった



――レテン帝国レテン城第一待合室


【勇者】

「…………」


【カスミ】

「どうしたの?」



【勇者】

「カスミ姉……て、手汗がすごい」



【カスミ】

「緊張してのね。帝国宰相と言えば、お話しするどころか会う事すら出来ないほどの相手だものね。けれど貴方も王国の唯一無二の勇者。そこまで気にする必要もないわよ」




【勇者】

「けど、何か失礼なこしたら、鞭打ちの刑にされた後、城下町を引き回しの上

 大通りで磔にされて火あぶりだって……サザンカが教えてくれたんだ」



【カスミ】

「……そう。ちょっと待っていて。私サザンカに話しがあるから……ね?」


【勇者】

「カスミ姉、その笑顔怖い……」


【カスミ】

「うふふ」



【ラーボ】

「俺も同席するわけだし、何か問題があれば意見具申するさ。

 勇者らしくどーんと構えておけ」


【勇者】

「ラーボ。今この瞬間、貴方の背中が山よりも大きく見えるよ、ナイスガイ

 ナイスマウンテン」


【ラーボ】

「あんまり褒めるなよ。けれど戦闘と一緒さ。俺に背中を預けてくれればいい

 簡単な事だろ?」



【帝国兵】

「勇者殿、お待たせいたしました。宰相殿が奥の部屋でお待ちです」


【勇者】

「はい!」


【ラーボ】

「では行こうか」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


【勇者】

「ただいまぁ!」


【ラーボ】

「…………」


【サザンカ】

「んあ、おかーえり、どうだった?」


【カスミ】

「サザンカ」


【サザンカ】

「うっ……さっきはその脅すような事言ってごめん。

あんたがビクついていたから、そのちょっとからかいたくなって」


【勇者】

「大丈夫だよ。怖い人でもなかったし、優しくて凄くいい人だったよ」


【サザンカ】

「ほら、心配無用だったでしょ。むしろあたしのお陰で

イイ感じに緊張感持って望めたんじゃないの?」


【カスミ】

「サザンカ」


【サザンカ】

「ひっ!?冗談よ。目が全く笑ってないの怖すぎるんですけど!?」


【バルハナ】

「――して、勇者。宰相殿はなんと?」


【勇者】

「それね。帝国を北上して魔族の国に入る許可をくれたよ」


【バルハナ】

「そうか。随分とあっさりと出してくれたものだな。

 色々無理難題を吹っ掛けられると思ってはいたが」


【カスミ】

「他には何かあった?」


【勇者】

「えーとね。いくつか言われたよ。帝国内の村や町に入ってはいけない

 人と会話したり関係を持ってはいけない。北東の山に近づいてはいけない。

 とにかく、一切関わらず、まっすぐ帝国を抜けろってことみたい」


【カスミ】

「ふぅん。あくまで勝手に抜けたって事にしろって事ね。

 帝国としては知らぬ存ぜぬ。魔王と事を構えるつもりはないってことかしらね」


【勇者】

「うん。後ね、帝国との国境付近に魔王軍の南部司令部施設があるから

 可能ならそれを排除して欲しいって言われたよ」


【サザンカ】

「なによそれ。もちろん断ったよね?」


【勇者】

「魔王を倒すついでだし」


【サザンカ】

「ラーボ!!!」


【ラーボ】

「食い気味の凄い良い返事だったんだ。むしろ、そのお陰もあって

 あっさり通行の許可が出たと言ってもいい……はず

 いや、そうであって欲しい……」


【サザンカ】

「面倒ごとばっかり増やして!」


To be continued






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