【レビュー記事】『解放者』たる者‐オスガキ勇者‐
いつもお世話になっております。とえるです。
支援者様向けの記事もつつがなく準備中ではありますが、今回は趣向を変えた記事をお出ししようと思いましてこれを執筆しました。
今回はなんとレビュー記事です。購入して「これは!」と思った作品を紹介させていただこうと思います。作家さんに許可さえ取れれば不定期に続けていけたらいいなーと思っております。
さて記念すべき第一回目のレビューですが、我らがショタコン界の漆黒の中、燦々とピンク色に輝くスケベ星、司馬ゆうじ先生の作品です。
作品URLはこちらです↓
https://booth.pm/ja/items/2168986
その名も『オスガキ勇者~ミミック程度のくすぐり搾精なんかに負けるわけねぇだろ笑~』。タイトルから溢れ出る信頼感が凄いな……
早速レビューに入りたいと思うんですが、作品そのもののレビューをする前に、前提として僕の価値観における「勇者」とは何かを説明させてください。支援者の方は「またかよ……」と苦虫を噛み潰したような顔をすること請け合いですがまぁ少しお付き合いくださいませ。
【1.勇者とは「規範の隷属者」である】
「勇者」とは、ファンタジー世界に登場する、世界を救う使命を負った存在です。その性質から、勇者の使命を背負ったものは、ほぼ例外なくその物語の中において、巨悪を打ち倒す重要な役割を持ちます。当然世界の人々は、巨悪を打ち倒してくれるであろう勇者に対して絶大な期待と信頼を寄せることになります。
しかし、人々の期待と信頼が大きければ大きいほど、それらは「勇者」という使命を帯びた少年を縛る鎖にもなり得ます。
世界を救う者への期待と信頼は、裏を返せば世界を救わない者に期待と信頼を寄せない
ということです。人が好意を受け取った際、それをさらに獲得したいと考えるのは自然なことですし、そのために振る舞いを変えることも決して珍しいことではありません。畢竟人々の期待は、「勇者たるものかくあるべし」という規範となって、一人の少年を勇者という概念の型に押し込むことになるでしょう。「勇者であれ」と人々に無意識のうちに期待を寄せられる少年は、もはやただの少年として振舞うことは出来ません。どんな敵と相対しても恐怖に臆することなく立ち向かい、困った人が居れば手を差し伸べ、そしていずれは巨悪を打ち倒さなければならない。これこそが、冒頭で述べている「規範の隷属者」です。ある意味で勇者という存在は、世界の調和を望む人々のための生け贄でもあるわけですね。
【2.オスガキ勇者の人物像】
ここからは具体的なレビューに入っていきます。
この作品に登場する勇者・ハルトも、1の項で説明した「規範の隷属者」たる存在です。ただしテキストを読む限りでは、彼は「世界を救う」というような最大公約数的な規範を背負うものではなく、もっと小規模な、しかし切実な規範の中で生きる勇者のようです。
物語は勇者ハルトが宝箱に釣られ、ミミックに囚われるところから始まります。冒頭の展開は、欲に目が眩んだハルトの自業自得を強く感じる内容で、自らも「戦士」を自称していることもあり、ともすれば勇者に相応しくない少年に映るかもしれません。しかしその認識は、中盤に挟まれる彼のモノローグにより一変します。
『――ちくしょう、オレはこんなところで……こんなところで負けられないんだ!!』
『弟たち(アイツら)にいいお宝持ち帰って……一生こまらねえくらい……食わせてやるんだ!!』
このモノローグによって、ハルトが欲を出して宝箱に手を出したのは、貧しい弟たちを養うためだとわかります。
世界の救済というような大それたお題目ではないですが、『親しい弱者を救い、養う』という行為は古来より父権社会の中で培われてきた、典型的で強固な規範です。貧しい家族を抱える彼にとって、曖昧な理想論よりも遥かに切実な問題でしょう。その点で彼は、誰よりも勇者らしいと言えます。
【3.勇者ハルトへの受難】
幼い家族を護るために闘うハルトに対し、彼を捕えたミミックはあの手この手を使って彼のプライドを踏みにじりに掛かります。
ミミックが求めているのはハルトの『MP』、すなわち『マゾポイント』であるという設定がキモで『ハルトのマゾヒズムを引き出すため』というお題目が、ミミックによって行われるえげつない尊厳破壊の自然な導線になっています。くすぐりによる失禁の誘発なんて全くの序の口で、
・タイツを破ってペニスを露出させる。
・包皮の隙間に触手をねじこんでかき回し、亀頭を刺激しまくる。
・射精しそうになったハルトを寸止めして焦らす。
・卑猥な言葉で『敗北宣言』をするよう迫る。
と、まるで焼き肉食べ放題に赴いた部活帰りの中学生さながらのやりたい放題さでハルトを責め立てます。しかもその間ずっとねっとりした言葉責めをするというサービスの手厚さ。きっとこのミミック支部で「ヒーロやられ」タグ常駐してんだろうな……と思わせるような豊富な語彙は感服する他ありません。
こうした怒涛の責め苦により、ハルトのプライドは砕かれ、勇者としての尊厳も丁寧に剥がし落とされていくことになります。
【4.解体される規範】
しかし、ミミックによって破壊されたのは、ハルトのプライドや尊厳だけではありません。
ここで実際の画像を見て比較してみましょう。この作品で僕が一番好きなのが、ここで示すハルトの『表情』だったりします。

まずはこちらをご覧ください。これは捕えられて間もない頃の表情です。幼い家族を護るための使命感、悪に捕らわれようとも挫けまいとする強い意志を感じられますね。

ではこの表情はどうでしょうか。ミミックによる責めが大詰めを迎え、今まさに触手によって搾精されようとしている時のものです。みなさんは、この表情から、先程のような『強い意志』を感じられるでしょうか?……言うまでもなく、答えは『ノー』ですね。
この表情には、先程のような矜持や、使命感というものは全く感じられません。あるのは恍惚と、これから訪れる快楽への期待のみです。仮にも勇者が、敵の手の中に堕ちた状態で浮かべていい表情ではないでしょう。これはハルト自身が『勇者』である己を放棄し、オスとして極めて根源的な快楽をただ求めていることの証左でもあります。勇者ではなくオスであることを求める――これはすなわち、『勇者』という概念が生み出す規範から、ハルトという『オス』が解き放たれたことを意味します。ミミックが陥れた極限的な状況は、図らずもハルトの『個』としての欲望を発露させ、ハルトを『勇者の規範』から解き放ったのです。
しかし、この状況に至ってもハルトは家族を想い、負けまいと己を鼓舞します。もはや衣服もすべて剥ぎ取られ、勇者としての自分はどこにも居ないが、『兄』としての尊厳はまだ捨てるつもりはない――そんなハルトの強い意志を感じるモノローグは必見です。ここに至っては、ミミックとハルトとの闘いではなく、ハルトの内心にある『規範』と『欲望』の対決です。はたしてハルトは己に打ち勝ち、せめて『兄』としての尊厳を護ることが出来るのか。……その結末は、ぜひ自分でたしかめてください。
4.総括
ここまで長々と語ってきましたが、いかがでしたでしょうか。この作品を見る前にこれを読んでもらい、物語の解釈の一助になれば幸いです。
最後に僕がこのレビューで一番伝えたかったことを今一度宣言させていただきまます。みなさんおわかりですね?それは、
『ガキちんぽの皮の中をほじくられてアホ面を晒すマゾ勇者は最高である』
ということです。まぁ当然の真理ですね、聖書にもそう書かれてありますし。今日はこれだけ覚えてもらって帰ってください。
さてこの記事を書くために作品を見直してたらムラムラしてきたので僕も聖剣を抜いてこようと思います。
最後に、レビュー記事の掲載許可をくださったゆうじ先生に改めて御礼申し上げます。あとレビューと言いながら悪夢を見てるときの寝言みたいな支離滅裂な内容になってしまってごめんなさい。好きです。
次回は煮っころがしプラン向けの記事を更新します。多分土日のうちにあげられるかと思いますので、よろしくお願いします。それではまた!
