常世ノ塔とお絵描きと今までとこれから

あけましておめでとうございます


成果で語るべきと考えているタイプであまり語るのは小っ恥ずかしいのですが。

年始だし、去年は大きな区切りがついた年だったので、珍しく自分のことをちゃんと文章にしてみようと思います。

正月休みの軽い読み物程度で読んでくれると嬉しいです。


2022年について

『常世ノ塔』のSwitch版と正式版をリリースし、一つの作品に区切りをつけた昨年を一言で表すなら『ゲーム開発に一度決着がつき。同時に今後が楽しくなってきた年』でした。


ゲームについて

新卒で入った広告代理店でのアートディレクターとしての仕事があんまり向いてなかったのでやめて、

この先どうやって生きていくか?と考えたとき、いくつか出したアイデアのうちのひとつが「ゲームを作って生きてく」でした。


当時の僕は、メディアアート系/アプリ系/サーバーサイド系のプログラミングをかじった程度のペーペーだったのですが、

なんとなく「自分ならどうにかなるだろ」と思っていて、何故かというと、それまでの経験上「勉強すれば自分は何でも70点くらいまでは到達できる」という浅はかな自信があったからです。


そこでゲームを作りたいとUnityの入門書を読みながら、プロトタイプとして2週間程度で作った『常世ノ塔』はデジゲー博に出展し、

お客さんの反応はもちろん、当時まだ立ち上げ間もないゲームメディアのIGN JAPANさんに高い関心をいただきました。そこから本格的な開発と勉強が始まります。


そこからは長い長い山登りのようでした。ぼくは一度富士山に登頂したことがあるのですが、頂上は見えているのにその道程は険しく、そして知っている道ではない、まさにそれに似ています。


しかも何度もトラブルに見舞われました、サーバーサービスの乗り換え、契約パブリッシャーの消滅、そこからの新たなパブリッシャー探し、そしてアーリー中のサーバーサービスの再度乗り換え。

同じゲーム開発をしている方から心無いことを言われたり、ちょっと気性の荒い方に噛みつかれたり、人やコミュニティ付き合いでも疲弊した時期もありました。

正直、なんでこんな苦労を、屈辱を味わうのか...と苦しかったこともありました。


でも、作るのを辞めたいなんて思ったことはありませんでした。

なぜなら僕には自分の頭のなかにある何かを表現して他人を楽しませたいという考えが根底にあり、

そして、それを楽しみにしていてくれる人たちがいるということをイベントや、SNSなどで実感していたので、自分を待っている人たちが確かににいるなら、

「くだらないことなど放おっておいて、自分を応援してくれている人たちの方を向いて、信じて、やりきってみせよう」と思えたからです。


そうした苦労もありましたが、アーリーアクセス、正式版リリースとたどり着き。

パブリッシャーのPlayismさん、コラボしてくれた配信者さん、イラストレーターさん、ゲーム開発者さん、メディアの皆さんの協力もあって、常世ノ塔は成功をおさめ。「今後もゲームを作っていこう」というところまで到達することが出来ました。

自分は将来の夢とかそういうのを明確に持ったことが無いのですが、もし持っていたとしたらこの時点でいくつかはかなっていたのかもしれません。


そして一度ゲームを作りきったことにより、いろいろなことを学び、そして今回到達した山の頂から、新たな山々の頂がいくつも見えてきたようなそんな感覚があります。


絵について

ゲーム開発と同じかそれ以上にぼくの創作の軸になっているもの、それは絵です。

意外と言われることが多いのですが、自分は一応美大出身のデザイン畑のひとで、会社でいやいややらされていたのもデザインで、もちろん小さい頃から絵を書くのが好きでした。あまり公にはできないのですが、それなりに有名なもののデザインにも関わってきました。


大学時代にメディアアートに触れたことでプログラミングとアートの相互作用に魅了され、いつのまにかJavaScriptやPHP、今ではUnityでゲームを作ってAWSでサーバーサイドを作り切るくらいにはなっているのですが、ベースとなっているのはやはりデザインやアート側です。


そのためゲームやプログラミングのロジカルな部分よりも、キャラクターや世界観などを表現したい、そしてその媒体の最適解がゲームであるということでゲームを選んでいて、それでいてゲーム性においても面白いものを作りたいという、欲張りなバランスでものづくりをしているタイプです。


しかし、どうもずっとこの絵に対して「ゲームが作れるし、まあまあできればいいかな」ということが自分の意識していない無意識にあったのではないか、そして同時に、本当は「もっともっともっともっと絵がうまくなりたい」という欲求も持ち合わせていたと、最近感じます。


それは一度ゲームが完成し、絵と真剣に向き合う時間が最近になってとれたことで気付けたことで、実際明確にここ最近で絵が上達したと実感できているので、この次のゲームへ移る前の休み時間はすごく大事なのかもしれないと思っています。


70点のその先へ行きたい

ゲームを作りきり、その売上でごはんを食べていけるようになり、絵と真剣に向き合うようになったことで感じたことは、ゲーム開発をし始めてた僕が思っていた「勉強すれば自分は何でも70点くらいまでは到達できる」の、絵とゲームに関しては自分にとって70点までは到達できているのではないだろうかということです。


この、あとの30点こそが本当に大事なところであり、教科書に載っていないところであり、成功のその先を決めるところでもあります。

そして同時にこの30点こそが一番おもしろいところであるとも思っていて、70点に到達できたからこそ、あと30点挑戦できるところまでようやく、やっと来れた。

そんな感覚にワクワクしています。


2023年について

色々語ったここまでですが、じゃあ2023年の抱負は?というと、あまり思いつかないです。

ゲームって作るのに時間がかかるし、見積もりもはっきりとつかないので、慎重になっちゃうんですよね、未来のことをきめるのが。


今の力をもって、次に進む前に、何を準備できるのか?そして準備はどれくらいするのか?では動くとして、どう動くか?そんな準備と戦略を立てながら動いていく一年になる気がします。


また途中にも述べましたが、「応援、支援してくれるファンのみなさんがいる」という確信が孤独な個人ゲーム開発における大事なモチベーションになっていて、そのことに改めて感謝し、創作活動に励んでいきたいなと思います。


それではみなさま、今年もよろしくお願いします。


( ,,廿 _廿,,)oO(いいね押してくれると励みになります)



















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