ブレイズハート小説版 第10話
桜火と雪菜は道源の前に連れて行かれ、触手に宙づりにされたまま並べられる。その両側に雷花と桐枝が並べられ、四人は並んで道源を見ているように立たされた。とはいえ足はがに股に広げられ、両手は後ろで縛られたままの無惨な姿だ。雷花と桐枝は未だに意識が虚ろなのか、ぼんやりとした表情で秘裂から精液を垂らし続けている。 「マンコが開きっぱなしだな。さすがにあの太さの触手で犯されれば、ゆるゆるにもなるというものか」 「ぐっ……最低」 「デリカシーなんて期待していないけど、本当に最低ね」 桜火と雪菜の言葉に、道源は笑みを浮かべる。蔑まれるのであれば、負け犬の遠吠えに聞こえる方がよほど愉悦を味わえるというものだ。 「その言葉、覚えておくがいい。お前達はその最低な男によって蹂躙され、俺の力になるのだからな」 桜火達の足元からさっきよりは一回り細い触手が這い寄ってくる。先端を真上に向けたそれらが狙っているのは、もちろん四人の膣口だ。細いとはいえ、その太さは桜火達の腕よりも太い。本来なら入れるには大きすぎる触手が四人を狙っているのだ。雪菜達を絡め取った触手の拘束がより強くなり、みじろぎひとつ出来なくなる。それでも抗おうとした瞬間、触手達は一斉に四人のシャドウギアを貫いた。 「「「「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」 ほぼ同時に雪菜達の悲鳴が上がり、シンクロして道源の鼓膜を叩いた。空中で固定された身体は衝撃を逃がすことが出来ず、一気に膣奥まで貫かれる。精液まみれになっている膣道とはいえ、その勢いと太さは尋常ではない。およそ性器につっこむものではない異物に、雷花と桐枝も目を見開いて泣き叫んでいた。 「あがっ、ぎっ、いぃぃぃぃぃっ!? なんで、ボクっ、犯されっ、ひぎぅぅぅぅぅぅっ!」 「なに、が……起きて……うぁぁぁぁぁぁぁっ!」 「なに、次はお前達四人を全員相手にしてやろうと思ってな。せいぜい俺を楽しませるよう精進することだ」 「んぎっ、ぎぅっ、んぐぅぅぅっ! この、程度……なんてことないわ」 「さっきのヴィランの方が……んぐぅっ! まだ、激しかった……あぐぅぅぅっ!」 「ふん、悲鳴を上げながら、よくそんな強気の言葉が吐けるものだある意味才能だな」 子宮口に到達した触手達は、きつく閉じたそれをこじ開けようと、何度も執拗に突き上げてくる。穿たれる度に子宮内に残った精液が揺れ、不快感と快感をない交ぜにして脳内に訴えかけてくる。苦しさと悔しさを顔に滲ませながらも、桜火と雪菜は道源を睨み付けた。 「お前達、よもやこの程度の責めで済むとは思っていないだろうな?」 別の触手が桜火達の背後から歩みより、お尻に張り付いて左右へと押し開く。その動きに、雪菜達は道源の狙いをすぐに理解した。 「さあ、もう一本咥えてもらおうか。お前達の後ろの穴でな」 「ひっ!? や、やめ……ボク、もう無理……無理ぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」 「雷花っ! がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 雷花のアナルに触手が突きささり、悲痛な悲鳴が上がる。その声を聞いて顔を青ざめさせた雪菜にもすぐに肛虐が襲いかかり、絶叫が上がった。 「趣味、悪い……んぎぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」 「桜火、ちゃん……ひぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 続いて桜火、桐枝にもアナルへと触手がねじ込まれ、絶叫が輪唱するように次々と上がる。顔を振り乱して泣き叫ぶ四人のシャドウギアの姿に、道源は満面の笑みを浮かべていた。 「さっきまでの強気な態度はどうした? まだまだ加速するぞ?」 「ひぐっ、ひぎっ、ぎぃぃぃぃっ! お尻が、焼けるっ、んぐぅぅぅぅぅぅぅっ!」 桜火が顔を紅潮させながら泣き叫ぶ。アナルに突きささった触手は肉壺にねじ込まれた触手の挿入に合わせて深く突きささり、体内触手が擦りあわされていく。膣襞が激しく扱かれ、激痛と激悦が脳裏を焼いた。 「まだ、入ってくるっ……んぐっ、ぐっ、うぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 必死に歯を食いしばって耐えようとしていた雪菜も、乱暴な抽送に耐えきれず泣き叫んでしまう。長いポニーテールを揺らしながら苦しむ様に、道源は愉悦の笑みを浮かべた。身体が固定されているせいで、抽送されても身体は上下に揺れはしない。だが、衝撃は身体の中に伝わっているせいで、子宮口を打ち上げられる度に胸が揺れ動く。桐枝と雪菜の乳揺れは特に顕著で、子宮が押し上げられる度に乳房が大きく縦に揺れた。 「んぐぁっ、あっ、あっ、あぁぁぁぁぁぁぁっ! やめて、もうかき回さないでぇっ! あぎっ、ひぎっ、ぎぃぃぃぃぃぃっ!」 「意外だったな桐枝。いつも涼しげな顔でのらりくらりと躱していたお前が、犯されればこんなにも弱い面を見せるとはな」 「道源……っ! あぐっ、はぐっ、うぁぁぁぁぁぁっ! んぁっ、や、やめっ、ひんっ、ひんっ、ひぃぃぃぃぃっ!」 「ははははっ! これだけ犯されて嬌声を上げるとは、お前はどうやらマゾらしいな。いや、お前達は皆マゾということか。犯され、穢され、愛液を滴らせながら泣きわめき、喘ぎ散らかしているんだからな」 「ち、違うっ! ボク達はっ、んぐぁっ、うぁっ、あひぃぃぃぃぃっ! やめっ、それ以上入らないってっ、ひっ、ひっ、ひぎぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 かろうじて反論の言葉を紡いだ雷花だったが、ひときわ強い衝撃に目を見開いて泣き叫んでいた。さっきと同じように触手の形にお腹が膨らむ。子宮口がこじ開けられ、触手が直接子宮内に侵入したのだ。 「雷花、雷花っ! 道源……ぐっ、うぐっ、うぐぁぁぁぁぁぁぁっ! 中にっ、子宮の中に触手がっ、あっ、あっ、ふぁぁぁぁっ!」 「安心しろ、妹だけに気持ちいい思いはさせない。お前にもたっぷり味わわせてやる」 雪菜の子宮口も貫かれ、触手が子宮内でとぐろを巻く。お腹も触手の形に膨らみ、その異様な形に吐き気を覚えた。そこにアナルからの触手が深く突きささり、嘔吐感が何倍にも膨れあがっていく。 「次はお前達だ。桐枝、桜火、お前達の絶叫を楽しませてもらうぞ」 「や、やめ……触手はもういや……いやぁぁぁぁぁっ! んぐぁっ、あっ、あっ、あひぃぃぃぃぃぃっ! ひっ、ひっ、ひぎぁぁぁぁぁぁっ!」 子宮に触手をねじ込まれた桐枝は、大きく胸を揺らしながら泣き叫ぶ。破水したかのように精液が秘裂か噴き出し、同時に愛液も撒き散らしていく。先程絶頂させられたばかりの熟れた身体は、子宮姦によって再び追い詰められ、絶頂する姿を晒していた。 「ひぐっ、ひぎっ、ぎぃぃぃぃぃっ! やめてっ、もうイキたくないのっ、ひぁっ、あっ、あぁぁぁぁぁぁっ!」 「くははははっ! 子宮を直接犯されてイクとはよほど開発されていたのだな! 面白い、面白いぞ六道桐枝!」 「何も面白くなんてない! こんな、んぐっ、んぐぁっ、あっ、あっ、がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 怒りの言葉を返す桜火にも、子宮口貫通の凌辱が襲いかかった。触手は子宮壁を穿ち、そのまま腹から突き出る勢いで子宮を犯す。 「ひぎぁっ、あがっ、あぁぁぁぁぁっ! お腹、破れるっ、ぎぅっ、いぎっ、ぎぃぃぃぃぃぃぃっ!」 「さっきから生意気な態度を取った罰だ。お前は苦しめ」 「がぁぁぁぁぁぁぁっ! うぐぁっ、あっ、あぁぁぁぁっ! 子宮に刺さってっ、んぎっ、ぎっ、ひぎぃぃぃぃぃぃぃっ!」 子宮口をこじ開けられたまま何度も槍で突くように子宮壁を打たれ、激痛に目を見開き泣き叫ぶ桜火。四人はそれぞれ異なる責めを受けながらも、その本質は変わらない。アナルに触手をねじ込まれ、子宮を蹂躙され、身動きを封じられたまま暴虐を受け続ける。シャドウギアでなければ、とうの昔に絶命しているほどの凌辱。だが逆に、シャドウギアだからこそ受け続ける地獄のような苦痛と快楽とも言い換えられる。死なないことが、死ねないことが、彼女達の苦しみを作り出しているのだから。 「んぐぁっ、あっ、あっ、やめっ、やめてぇぇぇぇぇぇぇっ!」 「あひっ、はひっ、ひぃぃぃぃぃっ! イグっ、まだイグっ、うぅぅぅぅぅぅっ!」 「雷花っ、雷花ぁぁっ! うぁっ、あっ、あひっ、ひぎっ、んぎぃぃぃぃぃぃっ!」 「んぐっ、んぐぉっ、おごぉぉぉぉぉぉっ! 子宮が、破れるっ、ぎぅぅぅぅぅぅぅっ!」 四人がそれぞれの悲鳴を上げながら苦しみ泣き叫ぶ様に道源は肩を揺らして高笑いを続ける。満足に身動きも出来ず、淫らに股を広げさせられ、泣きわめくシャドウギアとそれを高笑いしている道源の差は明らかだ。この状況では、彼女達に逆転出来る要素などなにひとつない。 「さあ、仕上げだ。お前達にさらなる苦しみを与えてやろう!」 「ま、まだなにが……うぇっ、んぐっ、んぐぅぅぅぅっ!?」 「うぐっ、うぶぉっ、んんんっ! この、吐き気……まさか、まさか!」 最初に気づいたのは雪菜だった。続いて桜火も猛烈な吐き気を催し、その意味に気づく。だが、気づいたところで彼女達に対策など取れるはずもない。抗う術など、既に失われていたのだから。 「や、やめ……そんなことされたら死んじゃうっ……うっ、んぐっ、うぶぇぇぇぇぇぇぇっ!」 「む、無理っ、喉がっ、あっ、がぁっ、うぶぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 「触手が、出てくるっ、うっ、うぐぁっ、うぶぉぉぉぉぉぉっ!」 「貫かれるっ……んぐっ、ぐぶっ、ぐぶぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 四人のシャドウギアの顔が青ざめると、顔が自然と天井を向く。そしてくぐもった絶叫と共に、アナルに突きささった触手が喉をこじ開け口から這い出した。粘液をまき散らし、舌を吐き出させながら身悶えするように暴れる触手。体内を貫通した触手は彼女達の口からアナルまでを同時にようやく抽送し始めた。 「うぶぇっ、ぶぇっ、うぇぇぇぇぇぇっ! おごっ、ごっ、うぼぉぉぉぉぉっ!」 「おごっ、おぼっ、ごぼぉぉぉぉぉぉぉっ!」 満足に呼吸することも出来ず、口内を、喉を、食道を、胃を、小腸と大腸を、そして肛門をも一気に扱き上げられる。吐き気などという生やさしいものではない。固形の太い異物が、何度も出入りを繰り返しているのだ。見開いた目は瞳孔を小さくしたまま明滅を繰り返し、彼女達から痛みを逃がさない。その上、子宮を直接蹂躙して虐悦を溢れさせ、脳内は完全にパンク状態だ。今まで頭を振り乱すことは出来ていたのに、それさえも封じられ、ただ天井を見ながら出入りを繰り返す触手と、まき散らされる粘液だけが視界に映る。屈辱的で、破壊的で、冒涜的な凌辱が、彼女達を辱め続ける。 「そろそろ仕上げだ。お前達の命が燃え尽きる様を楽しませてもらおう」 「うぐっ、うぶぉっ、ぐぶぉっ、うぼぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」 声を上げることも出来ず、呼吸困難に陥ったまま加速する抽送に蹂躙されていく。生命の危機に脳裏で警鐘が鳴り続け、絶頂の予感に恐怖が心を支配していく。それでも抵抗出来ず、されるがままの彼女達に残されているのは、凌辱に耐える意志を持つことだけだ。 「うぐっ、ぶぐっ、うぐぅぅぅっ! うぶぉっ、ごぼぉっ、おぉぉぉぉぉっ!」 「ぶぇっ、うぶぇっ、んぐっ、ぐぶっ、うぅぅぅぅぅっ!」 どんなに泣き叫び、うめき声をあげても、触手達は喉から下へと降りてはいかない。それはつまり呼吸出来ないということだ。物理的に息が出来なくなり、呼吸困難のまま絶叫させられ、意識も少しずつ朦朧としていく。わずかな飴を与えることもしない、鞭だけの責めに、秘裂から愛液と精液を垂れ流しながら痙攣し続けるシャドウギア。彼女達の最後の試練は、二本の触手が深く突き上げられると同時に始まった。 「うぐぁっ、ぶぁっ、あっ、あばっ、ぐぶぁっ、ぶぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 「ぐぶぁっ、ぶぁっ、あぁぁぁぁぁぁっ! ごぼぉぉぉっ、おぼぉぉぉっ、うぶぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」 子宮内に直接精液がぶちまけられ、お腹が妊娠したかのように一気に膨らむ。パンパンに膨れあがったお腹は、子宮になだれ込んだ精液のせいだ。子宮壁が触手に擦られながら精液で洗われ、剛と柔の刺激が子宮を襲う。その虐悦に耐えられるはずもなく絶頂。子宮に入りきらなくなり、子宮口をさらに押し広げられてその痛みにまた絶頂。そして逆流する精液が膣襞を洗い流しす激悦でまた絶頂。 そしてアナルからも精液が噴き出し絶頂。胃の中にも精液がぶちまけられ、これによりまたお腹が膨らみ、胃と子宮が膨れあがった摩擦でまた絶頂。喉を焼き、口内を犯され舌に精液直接塗りたくられてまた絶頂。口と肛門、秘裂から白濁が噴水のように噴き出し、視界に映る奇っ怪な光景に恐怖しながら、激痛と激悦は終わらない。泣き叫べば泣き叫ぶほど酸素が失われると分かっているのに、本能が咆哮せずにはいられない。 「ぐぶぁっ、ぶぁっ、ぐぶぁぁぁぁぁぁっ! うぶぇぇぇぇぇぇぇっ! おぼっ、ごぼぉぉぉぉぉぉぉっ!」 「ごぶぅぅぅぅぅぅっ! ぐぶっ、うぶぇっ、ぐぶぇっ、うぶぉぉぉぉぉぉぉっ!」 精液に文字通り溺れながら、目を剥き絶叫をし続ける四人のシャドウギア。無様に激しく痙攣を起こしながら泣き叫ぶ彼女達の様子に、道源は完全に悦に入っていた。 「はははっ、あははははははっ! いいぞ、実にいい! お前達の泣き叫ぶ姿が贄となり、蛇神の力を復活させるのだ!」 道源は諸手を挙げて勝利宣言を繰り返す。だが、彼の身体にその実感は湧いてはこなかった。 「何故だ? いい加減封印は解けてもいいはず。なのになぜ……」 道源が振り返ると、赤く妖気を放っていた巨岩はなりをひそめ、元の灰色を露わにしていた。そこからはほとんど妖気を感じられない。 「どういうことだ? 何故封印が解けていな……っ!?」 道源の身体がぐらりと揺れ、膝をついていた。自身に起きていた変化がすぐに理解出来ず、道源は呆然としてしまう。 「がはっ! はっ、はっ、はっ……うぇっ、うぶぇっ……もう少し、遅かったら……本当に危なかったかも……」 「うぇっ、うぇぇっ……了司、遅い……」 「本当にごめん。でも、もう大丈夫だよ」 背後から聞こえてきた少年のような男の声に、道源の顔が青ざめた。そして、聞き覚えのある名前に、今目の前で起きている現象を理解する。 「橘了司……? 貴様、いつからそこにいた!」 「あなたが彼女達を犯すのに夢中になってからですよ、道源様」 了司の横にいるのは、風切達だった。既に絶命したはずの彼らがそこにいることに、そして解放されたシャドウギア達を介抱していることに、道源は再び混乱してしまう。 「馬鹿な……桐枝の幻覚を受けていたとでも? いや、そんなはずはない。現にお前達は俺の触手で白濁まみれに……」 「まったく……酷い目に遭ったわ。さすがにこんなに激しく犯されるとは思っていなかったもの。でも、賭けは私達の勝ちみたいね」 桐枝は道源の部下に支えられながらゆっくりと立ち上がる。足はふらつき震えており、まともに戦える様子には見えないが、意識ははっきりしているのが見て取れた。 「何故だ? 何をした六道桐枝!」 「あなたが絞め殺したあなたの部下、あれこそが私の作ったファントムスクリーンだったのよ。意識が飛んだ時に死体が消えてしまった時、バレやしないかとひやひやしたわ」 「なん、だと……? 貴様、わざと風切を殺させたと思わせる為にそんな真似を?」 「そう……。そして、ボク達を実際に犯させることであなたの気を引いて、その間に了司さん達が蛇神を封印する予定だったの」 「ですが、失敗すればシャドウギアは囚われたまま、了司君を守りつつあなたと戦わなければならない。その為、慎重には慎重を期したのです」 風切の悔しげな言葉は、桐枝達に向けられたものだ。もっと早く封印を再構築出来れば、彼女達の苦しむ時間は減ったかもしれない。だが、失敗は許されないという極限状況では、彼女達の耐久力を信じるしかなかったのだ。 「了司君の破鬼瞳で蛇神の力を封じれば、あなたは自分の力の変化に気づくかもしれない。だから、あなたが完全に悦に入るそのギリギリまで耐えてもらっていたのよ」 「それにしても、もう少し早く封印してほしかったけど」 「ごめん、桜火……」 状況は完全に反転した。蛇神は封印され、風切達も無事だ。雪菜達の受けた凌辱は相当なもので、戦力としてもかなり削られているとはいえ、数の差は圧倒的だ。 「貴様ら……謀ってくれたな! だが、ならば今一度お前達を殺し、犯すまでだ!」 道源の目が赤く染まり、瞳が縦に割れていく。道源の身体から漏れる妖気がさらに濃く強くなっていた。 「あなたの中に眠る蛇神の力を暴走させようというの? でも、それは無駄なことよ」 了司が睨みを利かせると、それだけで妖気が一気に霧散していく。封印の岩から漏れる妖気を封じた破鬼瞳が、道源に通じないはずがないのだ。 「橘了司ぃぃぃっ! 貴様が、貴様がいなければぁぁぁぁっ!」 「彼を甘く見たあなたの負けよ。そして、私達の絆を軽んじたこともね」 「雪菜、決着は任せるわ」 「お姉ちゃん、やっちゃって!」 怒りに任せて了司に飛びかかろうとする道源に、雪菜が刀を握る。そして了司の前に立ち塞がった。 「雑魚が! 犯され足元もおぼつかないお前が、俺に勝てるものか!」 「私は闇に潜む悪を狩るシャドウギア。ならば、その責務を果たす!」 雪菜が地を蹴り道源へと低い姿勢で駆け出す。その勢いは決して力強いものではないものの、了司が走るよりも速い。そして、了司も微動だにせず同じ場所に立ったままだ。 「馬鹿め、こんな女を信じて棒立ちになるなど愚の骨頂よ!」 雪菜と道源が斬り合おうとするその瞬間、道源は高く飛んだ。雪菜はその真下をすり抜ける形になり、背中を晒す。そして勝利を確信した道源は背中から触手を生やし、空中から了司へと槍の雨を降らせるように触手を放った。 「死ねぇぇぇぇぇぇっ!」 瞬間、道源の触手は鋭い刃に切り裂かれ宙を舞っていた。何が起きたのか分からず、呆然とする道源。そのまま着地すると、道源は両膝を突いて倒れた。 「なに……が……起きた……?」 背後に殺気を覚えたものの、振り返ることが出来ない。その場に座り込んだ道源の足元には赤い液体が広がっていく。手足を動かそうとしたものの力が入らない。見れば鋭利な切り傷がつき、腱が断ち切られていた。 「ヴァイパースラスト・重ね。こんな状況でもやれば使えるものね」 背後から聞こえる雪菜の声に、道源の背筋が寒くなっていく。そこでようやく理解した。雪菜は、道源が直進してくる彼女を直前で躱すと読んでいたのだ。そして空中に飛び上がった道源が自分に攻撃を仕掛けてこないことも。真下から必殺の一撃を放った雪菜によって道源の触手は寸断され、両手足の腱を切り裂いたのだ。着地の際に足が使えない道源は立つことも出来ず着地と同時に膝をつく。了司が動かなかったのは、道源の身体が動いて狙いが定めにくくなるのを防ぐ為。雪菜を信じ抜いたからこそ出来る勇気の決断だった。 「馬鹿な、そんな馬鹿な……」 「道源様、あなたがそこまで人を信じられないとは思っていませんでした。残念です。ですが、この始末は我々の責任。罪は、償っていただきます」 風切が雪菜に目で語りかけると、雪菜は静かに頷く。そして、道源は部下達の手によって処断されたのだった。 「ほら、お姉ちゃん、いっくよー!」 「ちょっと、少しは加減しなさい!」 「ふふっ。雪菜ちゃん、これも鍛錬だと思って頑張りなさい」 あれから数日後、雪菜達の姿は腹島の砂浜にあった。皆水着に着替えて遊んでいるのだ。雪菜と雷花、桐枝は元気にビーチボールで遊んでいるが、浅瀬で波に足を取られながらのビーチバレーは、もはや常人のレベルを超えている。そんな中、了司と桜火はビーチパラソルの下で三人の様子を眺めていた。 「みんな元気だな……。桜火は行かないの?」 「了司のせいでまだ痛いの」 「あ……ごめん。でも、本当に早く行こうとは思ってたんだよ?」 桜火の言葉に、了司は心底申し訳なさそうな顔をする。落ち込んでいると、頬を指でつつかれる。 「冗談よ」 「えええ……。もう、桜火の冗談はわかりにくいよ」 桜火はしてやったり、とばかり小さく笑みを浮かべる。普段はあまり表情を変えない桜火がこんな風に笑う姿を見て、了司も思わず笑みを浮かべてしまう。洞島の一件は了司達の活躍により再封印がなされ、ひとまずの終息を迎えた。だが、妖気に当てられて現れたヴィランがまだ残っているかもしれないということで、雪菜達は腑島に残っていた。つまりは、監視という名目で休暇を与えられているのだ。 「こらー、桜火! 了司君もサボってないで相手しなさい!」 「別にサボってない」 「ボクもサボってるわけじゃないよ!?」 「ふふっ、私達の水着姿が気になって、目のやり場に困るから逃げているだけよね?」 「あ、いや、それは……その……」 雪菜達のスタイルの良さはシャドウギアのスーツが身体に密着する仕様のせいで分かってはいるが、それでも水着を来ているとなると余計に扇情的になってしまう。了司にとってはなかなか正視出来るものではない。 「了司のエッチ」 「ちょ、ちょっと待ってよ!」 「ボク、了司さんに見てほしくて水着を新調してきたのになー」 雷花は肩紐のないチューブトップの水着で、黄色に白い縦ラインの入った水着だ。彼女の胸の膨らみを考えると、いつ胸が見えてもおかしくないと妄想してしまい、目を向けられない。対して雪菜はスカイブルーの水着だが、布面積がそれなりに少ないビキニで、もとより巨乳であることも相まって目のやり場に困る。桐枝は黒いビキニで大人の魅力を全力アピールしていて、これもまた恥ずかしくて見られない。となると、唯一パーカーを着ている桜火の近くにいるのはある意味必然だった。 「ほら、桜火も来なさい。あなたも了司に見せる為に水着を新調したんでしょ?」 「なっ、どうしてそれを言うの!? ……あっ!」 雪菜が桜火の背後に回り、パーカーを強引に剥ぎ取る。桜火は赤いビキニを着ていて、綺麗なお腹がよく見える姿に了司は思わず顔をまっ赤にしてしまった。 「それで、了司くんは誰が好みなのかしら?」 「ちょ、ちょっと桐枝、なに言ってるの? 了司君が困ってるじゃない!」 「そんなこと言って、お姉ちゃんもほんとは指名してもらいたいんじゃない? でも、了司さんに一番気に言ってもらえるのはボクだと思ってるんだけどなー」 「了司のエッチ」 「あ、あのねぇ……っ!?」 和気藹々としていた皆の顔が、一瞬にして真剣な顔になる。わずかだが、妖気が流れてくるのを感じたからだ。 「まったく……空気の読めないヴィランもいるものね」 「どうする? ボクが行ってこようか?」 「私が行く」 「そんなこと言って、ほんとは恥ずかしいから逃げたいだけでしょ? こんなところで揉めても仕方ないわ。みんなで行って、さっさ、と片付けて戻ってきましょ」 桐枝達はどこから取り出したのか、シャドウコアを手にしていた。幸い、辺りに人影は見当たらない。 「了司君、話の続きはまた後でね」 「え、続きあるんですか……。はぁっ、とりあえず、みんな気をつけてね」 了司の言葉に、四人は小さく微笑んで頷く。そして、彼女達は本来の顔に戻る。 「「「「装影! シャドウジェネレート!」」」」 <終>
