きらきらバスタイム!+愛で配信の裏側で【2】


愛で配信デビュー!+愛で配信の裏側で【1】

今月から新連載です! 前半の愛でている部分のみpixivにもアップ、 後半の裏側部分だけ支援者限定の内容にしていく試みです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 以下、「愛で配信の裏側で…」です。 つづき

前回のお話はこちら






































ここまでがpixiv投稿分です!

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赤い配信ランプが消えると、部屋の空気は急に重く沈んだ。

 笑顔を貼り付けていたみゅわの口元から、表情がすっと剥がれ落ちる。

 机の横に置かれたタライには、まだ、こたが湯に浮かべた小さな塊が残っていた。

 オレンジの香りはもう薄れ、あたたかかった湯は冷めかけている。



「お前、なんで配信中に漏らしてんの。」

 こたは呆然としたまま、ぱちぱちと瞬きする。

 まだ、何を怒られているのか理解していない顔。

 

みゅわはひとことだけ吐き捨てると、眠気に負けてうとうとしていたこたを、二本の指でつまみ上げた。こたは、突然の浮遊に小さく体をすくめる。

さっきまでクリームでしっとりしていた肌が、指の強さで無残にへこむ。

「ほら、見ろよ。」

 みゅわはこたを、タライの縁の上に持っていく。

 茶色いものがゆらり、と揺れた。

 オレンジ色の残り香と混じった、甘ったるいような嫌なにおい。



 声が刺すように鋭かった。

 こたはぶるっと震え、おさげを縮めた。

「こたのうんうん……しゃん……?」

 ぷるぷると震える声は、弱々しく空気に溶けた。

 


次の瞬間、みゅわはこたをタライへ叩きつけるように沈めた。

冷えた水が、ばしゃばしゃ跳ねる。

ついさっき丁寧に拭かれた身体も、保湿された肌も、

一瞬でべったりと濡れ、台無しになった。

こたは必死にもがく。


「ぴいっ……! やだぁ……!

 ひゃああ……! こた、おぼれちゃ……!」


 だが、みゅわは無表情のまま指を離さない。

 タライの底へ押し付け、ゆっくり、ゆっくり沈める。

 こたの小さな体から、ぽこぽこと空気の泡が上がっていった。


うんうんを再度もらしてしまったこたに悪態をつく。

少しして、飽きたようにこたをみずからあげた。




摘み上げた身体を濡れたまま、こたつさんの前へ乱暴に放り投げた。


 



それだけ言い残すと、みゅわは背を向けた。

こたは濡れた体を震わせ、こたつさんへ這い寄っていく。





みゃみゃ……こわい……

どうして、いま……こわいみゃみゃに、なっちゃったにょ……

おふろ、きもちよかったにょに……


こた、わるいこだから……

みゃみゃ、こわくなっちゃったの……?

こた、みゃみゃのこと、だいしゅきにゃにょに……


やしゃちいみゃみゃも、こわいみゃみゃも、

こたにょみゃみゃだかや……だいじにゃにょ……


ぼたんしゃん、おちたあと、

いちゅも、みゃみゃ、こわいおかお、しゅゆの……

こた、いいこにして、

ままの、かなちいおかお、なおしゅの……


こた、いいこして、あいちてもやゆ……

みゃみゃも、ゆっくち、できゆように……




まだ開けられていないパッケージが、こたがいるエリアの

対面の本棚に雑に置かれていた。

中には、うんうんまみれの赤ん坊。

天然パーマの短いおさげが、乾いて固まっている。

肥満体型の丸い体が、容器の中でぎゅうぎゅうに詰まっていた。

みゅわはつまらなそうにため息をつく。

無造作にパッケージのフィルムを裂くと、

うんうんと甘ったるい匂いが部屋に広がった。


指先でこちゃの丸い体をつまみ上げる。

 濡れてもいないのに、指に汚れがねっとり張り付いた。


そこに、こたの残したうんうんが浮かぶタライ。

さらに、こちゃが食べなかったうんうんを入れて汚風呂の完成だ。

みゅわは、ボールを投げるようにこちゃを放り投げた。


ぼちゃん、と濁った音。

水面が大きく波打ち、汚れが周囲に飛び散った。

一瞬、こちゃは沈んだ。

 次の瞬間、泡を吐きながら浮かび上がってくる。


こちゃは汚れた短いおさげを振り乱し、

ばしゃばしゃと洗面器の中を泳ぎ回る。

水が跳ね、さらに自分のうんうんをまき散らしながらも。

みゅわは、その様子を見下ろす。

表情は何もない。

面白がるでも、怒るでも、哀れむでもなく。

ただ、空っぽの目で。



「おれんじ〜! ゆわわ〜!

まま、ありがちょう! ありがちょう!!

こちゃ、ぴかぴかにぇ! ぴかぴかあかちゃでちゅ!

ゆっくちちちぇいっちぇにぇ! ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!!」


そして、ぼそりと呟く。

ざらりとネイルの先端が水面を切り、こちゃの尻に押しつけられる。

赤ゆっくりの柔らかな皮が、押しつぶされ、ぴちんと裂け餡子が滲む。


「何がネイル外せだよ。配信でさ、必死に言ってきたやついたろ?

は? バカじゃん。たかが饅頭ごときに外す意味なくね? なあ?」

こちゃは水の上でもがき叫んでいた。

その叫び声は、部屋の隅で震えるもうひとりの赤ちゃん――こたの耳にも届いてしまう。












「ほら、もっといい顔しろよ。泣き顔のほうがウケるって」


みゅわはスマホを構え、無機質なシャッター音が響く。

ぱしゃっ、ぱしゃっ……。

視聴者に見せるためじゃない。裏垢のための記録。

楽しむため、笑うための記録。

こちゃの皮膚にみゅわのネイルが刺さるたび細い悲鳴が漏れた。


「ぴっ……ぴ、ぴぃ……っ」


みゅわはその声も面白がり、角度を変えて撮り続ける。


「傷まみれデブ饅頭、最高じゃん。こういうのがさぁ、バズんの」




「……ゆぴ……」


みゅわは聞こえた泣き声にピクリと顔を上げる。


「……あ? チビ饅頭、見てた?」


その言葉に、こたの中枢餡が大きく跳ねた。


あの子だ。

一緒にお歌を歌ったのは、夢じゃなかった。


みゅわの視線がゆっくりこちらに向かう。

スマホのレンズが、今度はこたを狙う。


「いい子ちゃんの顔も、撮っとこっか。

 “比較画像”ってやつ? 載せんけどw」


続く









































































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