トラ怪人(助命ルート)

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トラ怪人が爪を振り下ろした時、アルはトラ怪人の懐に潜り込んだ。


「んな!?」


トラ怪人が驚愕すると同時にアルがトラ怪人の腹へ重い一撃を食らわせる。


「…ッ」

トラ怪人の巨体はビクともしない、だがアルは素早く2発目を叩きこむ。


「ヒっ…う゛ッ…」

トラ怪人の強固な腹筋の奥にギシッっとコアの軋む音がした。




どさっと仰向けに倒れ痙攣するトラ怪人。


「がはッ…はひッ……あッ…」


アルは黙ってヒクヒクと震えるトラ怪人を見つめていた。






トラ怪人の意識が戻るとアルが屈んで顔を覗き込んでいた。


「お…おい…な、なにを…してる?」


数十分経ち自己再生能力で喋れるようになったトラ怪人はアルに問う。


  「どうしようか迷ってる…ずっと…」


「迷ってるって…?何が…あったんだ?」


  「私達…捨て駒なんだってさ…タイガー」


「人間に何かされたのか?」


「どうしちまったんだよ…何があったのか聞かせろよ…」

トラ怪人はなんとか身を起こし胡坐をかく。アルはトラ怪人の前に正座した。







アルは一通り話した。解析されている時に情報を盗もうとしたこと、その時にライブカメラで見たヒーローの死と謎の怪人の発言…。トラ怪人は黙ってそれを聞いていた。







数分の沈黙の後、トラ怪人は口を開いた。

「やっぱり…オレらは……捨て駒だったのか…」

  「知ってたの?」



「そりゃぁ…なんとなくわかってたさ。どうしてこの基地に”あの方”が居ないのか、来たこともないのか。そもそも顔すら知らない。

兎の野郎とかは知ってるんだろうけどな…。アイツはどこからか来て俺らのメンテだけして帰るって感じだし…。

それにこの基地、見つけてくれと言わんばかりじゃないか。見つかってないのが不思議だけどよ。」



アルは驚いたまま固まっている。確かに基地は山の中にある。秘密基地という割には隠す気配もない。



「つまりその…なんだ、俺らが自爆兵器だったら誘い込んでだな…そういうこったろうとは思ってた。お前の話聞いて確信が持てたってことだ…」

気まずそうにトラ怪人は言う。








  「思ってたより頭ザコくないじゃん…。」

やっとアルが喋った言葉がそれかよ、とトラ怪人はずっこける。




























ヒーローと呼ばれていた男の死、そしてこちらに寝返った伝説の怪人の死という都市伝説が話題となってから半年が経った。




軍警察の新兵だった一人の若者は過酷な訓練を乗り越え明日には改造手術を受け実戦に備えることとなっていた。


まさか書類上にも存在しない少数精鋭の極秘部隊に転属…明日にはこの身体とも、この宿舎ともおさらばか…。




消灯時間も過ぎ真っ暗な宿舎で天井に手を伸ばす…と何か柔らかいものに手が当たった。柔らかく人肌より少し暖かい…?なんだろうか。






「少年、敵の気配に気づいたのか…?」






囁き声が伸ばした手のちょっと上あたりからした。


聞き覚えのある声…この声は…近接格闘実習で教官だった…二人のうちの一人…確か身長が高い方の…金髪の…


思考を巡らしていると電灯が点灯した。




  『虎田…教官!?』

触っていた柔らかいものが教官の胸であったことに驚きを隠せずに大きい声が出る。


常に冷徹な表情をしていて長身で怪力の鬼教官。

そんな恐ろしい人物の胸が…こんなに柔らかかったとは…。


「シー!声出すな!…真白にバレるだろうが。」


教官は両腕をつかみぐっとベッドに押さえつけた。


真白教官は背が低い華奢な体系で普段は温厚だが虎田教官を組み伏せられるような怪力の持ち主で…女教官ながら”鬼のマジロ”と恐れられている。

目の前の虎田教官が唯一恐れる存在、絶対に敵に回してはいけない人物として有名だ…。



  ⦅なんでこんな時間に…?え……?耳?⦆





教官が裸で跨っている。薄暗い中で見える一糸まとわぬ鍛え上げられた肉体そして呼吸と連動して上下する乳房に…見とれると同時に動揺する。

教官の頭に耳が…動物の耳がついている。




「耳は気にするな。…ま、その…少年に最後の…ヒーローになる秘密の訓練をしてやる。抵抗はするな。命令だ。そして口外したら…お前を殺す。」

そう顔を赤らめつつ硬い表情で言うと服をまさぐり始めた。


  『ッ…んぐッ!』

教官の大きくて柔らかく暖かい手のひらが口を塞ぐ。


「しーっ…何があっても一切声を出すな。こういうのは初めてか…?」

鋭い目つきにビビりつつ首を縦に振ると口から手が離れた。




「…まぁいい、体はやる気満々みたいだしな。」


教官は下着の中に手を突っ込み…がっちりと掴みつつ…指で具合を確かめている様に感じる。



「怪人はな…充電って表現するんだがソレが何かは覚えているか?」



首を縦に振ろうとした瞬間———


ドスンッと下半身に教官の全体重を感じると同時に締め付けられる。




「…んッ…これが…充電だ」


「声は出さないか…えらいぞ……できるだけ…耐えてみろ…」

教官がゆっくりと前後し始めると快感に締めつけられ血液が下半身に集中していく。




「しょう…ねん…がっ…これから…相手に…ッ…するのは…オレみたいな…性欲の強い美女に似た化け物ばかりだ…そいつらはぁ…暗殺をしたりッ…陰で…人々を…操って…国家の転覆を…企んでいる。そいつらの…本部と…親玉をッ…壊滅ッ…させるのが…お前の仕事ッ…」

教官の息は荒くなりつつある。それでも声を抑えて話している。




「そいつらは…オッ…オレぇみたいにぃ……こうやってぇ…エネルギぃーを…得るんだ…オレも…かッ…怪人なんだ…耳はッ…飾りじゃないッ…そっそれは…ひっ…秘密…機密ッ…機密事項だ…わか…わかるな?」






「んッ…驚か…ないんだな…切ってッ…しまッ…ったがしっぽも…ッ…あったぞ…」

教官がビクンビクンと腰を痙攣させるのが伝わる。

そしてより一層締めつけてくる。




「ぁぁ…ぁ…みゃあぅ……で…でた…か…は…初めてなら…こ、こんなもんか……。ぅぅ…。」

耐えきれずに放ってしまった…が教官は怒る様子もない。




「…少年…この辺で勘弁してやろう…この瞬間がどの怪人も一番無防備だ、弱点を攻撃する絶好のタイミングだ。」




「熱いだろ?これがコアだ。怪人の最大の弱点だ。」


そう言いつつ教官は腕をつかみ鍛えられた腹筋へ触れさせる。人肌とは思えない温度で…熱い。ずっと触っていると低温やけどしそうなほどに。



「わかってるな…?ヘソをやれ。だが攻撃したらすぐに離れろ。一発でも射精したら…エネルギーを貯めたコアはとんでもない爆発を起こす…巻き込まれたらお前も死ぬ…覚えておけ。」





…微かに照らされている天井を眺めていると…いつの間に着たのか、軍警のジャージに身を包んだ虎田教官がこちらをのぞき込んできた。




「他言したら…聞いた奴も殺すからな。」


そう言うと虎田教官は電気を消し毛布を乱雑にかぶせて去っていった。















気がつくと朝になっていた。

小窓から朝日が差し込んでいる。






宿舎の入り口に虎田教官が立っていた。反射的に敬礼をする。



「どこかで見た顔だが…いや、知らないな。こんなに大人びた顔になった奴は知らない。」






「すまないね君、私の勘違いだ。」

そう言うと虎田教官は宿舎の中に消えて行った。




カラス怪人編に続く
















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